泥沼日誌: Road to STDE   
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2007年6月16日

Road to STDE Vol.1 まずは申込み


この記事は、『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』への参戦を決めてしまったものの、未知の領域へ踏み込んでしまう不安に嘖まれている初心者ライダーに捧げるものです。


■STDEとは

『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』(略称STDE)とは、北海道上磯郡木古内町(2007年4月現在)で二日間にわたって行われる、オフロードバイクのレースのことです。一般公道走行可能な二輪車で、山林や河川・林道などのオープンエリアで行われる、いわゆる北海道方式のエンデューロレースです。開催日は毎年6月の第4週の土日曜日に予定されています。2008年は6月20~22日の予定となっています。(競技は21・22日のみ)

レース形式などの細かいところは後で追々説明するとして、私がSTDEに感じる魅力としては、北海道の広大な山林を思いっ切り走れる(いつも走っているのですが)ということの他に、二日間のイベントであることから、体力・持久力、車両整備能力、ペース配分などのレース戦略など、自分の総合力が問われる競技になっていることです。

そしてなんといっても、木古内町が町をあげてこのイベントをサポートしてくれることで、日本全国のトップライダーから初心者までが一堂に会して、同じコースと時間を共有しあえることではないでしょうか。

こればかりは言葉では伝えきれない、現地に行って体験してみなければわからないことなのです。




■情報収集

まずはSTDEの情報収集ですが、雑誌などの印刷媒体でも可能ですが、今の世の中Web上での情報収集が主な手段となってきています。
STDEの公式と思われるWebサイトは複数あるので、事情を知らないとちょっと迷うかも知れません。

>>木古内町公式サイト

レースの主催者である木古内町役場の公式サイトにSTDEのページがあります。このページには開催要項の文書ファイル、仮申込用のExcelフォームファイルなどがアップされています。
毎年ページのURLが変わるようです。2008年度は第23回STDEとなっています。

>>STDE競技部

STDE競技部長を務める函館マジマ木古内店の大森さんが管理するページです。このページには他のページへのリンクが張られているので、ブックマークに登録するならこのページが適当だと思います。

>>「STDE」Bestup.net

同じく大森さんが管理するSTDE情報発信サイトです。このページの STDE HOT NEWS には、レースの準備状況やスタッフの心情などが綴られていて、レース参戦を考えている方は要チェックです。2008年からは春夏秋冬楽というブログを始められたようです。


■木古内町の位置

北海道の渡島半島の南部、津軽海峡に面しています。北海道内から見れば端っこですが、本州方面からみると一番近い北海道となります。これが全国から参加者が集まる要因でもあります。
地図で調べればすぐわかりますが、一応地図サイトの検索結果を貼っておきます。

>>Google マップ >>goo地図 >>Yahoo!地図情報 >>マピオン >>livedoor地図情報 >>MapFan Web >>国土地理院 地図閲覧サービス


■参加申し込み

まず、参加を申し込まないことには話は始まりません。幸いにも、STDEの参加申し込みは2段階になっていて、心の葛藤の期間が設けられています。

毎年3月中旬から4月初旬にかけて、参加仮申し込みが行われます。仮申し込みは参加台数の調査のために行われるようです。この時点では参加料の支払いはありません。

仮申し込みが受理された後、本申込み用紙が郵送で送られてきます。その用紙に必要な項目を記入し、添付書類・参加料とともに現金書留で郵送します。間違っても普通郵便では送らないこと。本申込みの締め切りは5月の第2週末あたりです。

詳細は公式サイト、および郵送資料を参照してください。

・追記(2007/4/26)

本申込みには、印鑑登録証明書、運転免許証と健康保険証の写しが必要です。


本申込みを済ませたら、あとは逃げも隠れもできません。練習、マシン製作、用品準備、スケジュール調整など、やることは山ほどあります。

つづく

(2008年度版に加筆・修正)

Road to STDE 木古内への道
Vol.1 まずは申込み
Vol.2 参戦準備
Vol.3 レース前のスケジュール
Vol.4 レース当日
Vol.5 木古内のコース
Vol.6 マシンと装備
Vol.7 サバイバル

Road to STDE Vol.3 レース前のスケジュール

この記事は、『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』への参戦を決めてしまったものの、未知の領域へ踏み込んでしまう不安に嘖まれている初心者ライダーに捧げるものです。


初めてのレースで事情が良くわからず、パニックに陥ってしまうこともあろうかと思います。これまでのSTDE参戦経験に基づき、参戦準備からレース当日までのスケジュールを、時間を追って説明します。


■1ヶ月前まで

新車や新しいパーツを装着する場合、レース本番前に何度かテストした方がいいでしょう。それによって未然にレース中のトラブルを防ぐことができます。ありがちなのが、ホイールのスポークの緩み、ガード類の緩み、電装系の不具合でしょうか。オイルやブレーキパッドなどの消耗品は直前に整備すれば良いのですが、チェーンは初期の伸びが有るため、一度はならし走行をした方がよいでしょう。

想定コースを走ってみて、サスペンションやエンジンのセッティングも早めに終わらせていた方がいいです。練習状況の記録を取っておくのもいいです。

ウエアやブーツなど、身に付ける物も新品を使うのはやめた方がいいです。レース当日、新品の勝負服を披露するという楽しみもありますが、サイズが合わないとか、思わぬところがすれて、ライディングに支障をきたすこともあります。


■1週間前

仲間やチームで参戦する場合は、事前にミーティングしたり連絡を取り合って、スケジュールやトランスポータの乗り合いを決めたり、持っていく物の確認をした方がいいです。うちのチームでは必ずやっています。

北海道内の場合、レース遠征の出発はほとんどが金曜日になると思うので、その前の日曜日までにはマシン製作・整備、用品購入などの準備を終わらせておいた方がいいと思います。私は直前の日曜日は整備に専念しますが、大体は直前までやってます。

直前まで練習したいのもわかりますが、バイクを壊してしまったり、怪我をして出走前にリタイヤというのだけは避けたいものです。

たぶん休暇を取って参戦する人も多いと思うので、レース当日の週は仕事に支障が出ないように、前の日曜日までには準備を完了しておきたいのです。そして、完璧に仕事をこなし、大手を振って木古内に出発したいものですね。


■金曜日

STDEのスケジュールでは、金曜の夕方と土曜の朝に受付・車検ができることになっています。仕事の都合などでどうしても金曜に休めない場合は、土曜の朝までに現地に到着できれば、レースに参加することができます。ここでは普通に、金曜日に受付・車検を行う場合で説明します。(タイムテーブルは2008年とする)

金曜の朝に荷物を積み込んでもいいのですが、バイクを2台積みするとか、仲間を拾って行くという場合は、ある程度前日にやっておいた方がいいでしょう。

10:00 出発

札幌から木古内までの所要時間は、全て下道で6時間高速を使って4時間ぐらいを目安にして出発時間を決めます。本当はもっと早く着くのですが、余計な出費をしないためにも、安全運転で行きたいですね。特に長万部あたりの長い直線は要注意です。受付開始が16:00なのでそれまでには到着したいところです。

ルート

札幌から道南方面へ行くルートは何本かあります。ひとつは、ひたすら道央自動車道で八雲まで、もうひとつは
国道230号で中山峠経由で豊浦へ抜けてあとは噴火湾沿いに国道、もうひとつは小樽から稲穂峠を越えて倶知安・蘭越経由で長万部に抜けてあとは国道、の3パターンがあります。行きがけに観光を楽しむとか、急いでいるとか、その辺はお好みでルートを選んでください。

しかし、2008年の今年は困ったことに、7月7日から北海道洞爺湖サミットが開催されます。その関係で、道央自動車道と中山峠から豊浦へのルートでは、警備が厳しく途中に検問が設けられる可能性があります。ガソリンや工具、キャンプ道具などを満載したトランスポーターは、警備当局の格好の標的となることでしょう。とうことで、小樽まわりで岩内へ抜け、国道229号で日本海側を進み、黒松内あたりから噴火湾へ抜けるか、そのまま日本海側を南下し、上ノ国から木古内へ入った方がいいかも知れません。痛くない腹は探られたくないですから。


16:00 到着

受付・車検の会場は木古内町役場ですが、すぐとなりに学校があるため、早く着いてもバイクのエンジンを掛けたりしない方がいいです。間違ってもノーヘルでその辺を乗り回さないように。
受付はけっこう時間がかかるので、なるべく早く済ませた方がいいです。
受付終了後に車検を受けます。2008年の開催要項では車検は17:00~20:00となっています。車検については後で詳しく説明します。
車検終了後はマシンプールされバイクには触れないので、あらかじめガソリンは満タンにしておいた方がいいです。ガソリンコックOFFとメインスイッチOFFを忘れずに。




ピット設営

受付・車検終了後ピット設営に向かいます。2007年から車検の時間が17:00となったので、車検より先にピット設営をした方がいいかもしれません。
ピット会場までの道には危険な箇所があるので、注意して走行してください。過去に何台か用水路に落ちています。
ピット会場に係員がいると思うので指示に従ってください。ピットロードの仕切りに従って、適当なところを選んでピット設営します。
テープなどで区切って場所を確保しておくのですが、ピット会場はあまり広くないので、過度に広くピットを占有するのはやめた方がいいです。テントを持っていっている場合は、足を畳んで風で飛ばないよう固定して置いておきます。その中に、宿泊に必要のない工具・スペアタイヤ・センタースタンドなどを置いておきます。たぶん盗まれることはないと思いますが、心配なら名前とゼッケンを書いておけばいいのです。

18:00 買い出し

順調にいってもこの時点で18:00ぐらいにはなっているかと思います。私のポリシーとして、食料や燃料はなるべく現地で購入するということにしているので、1日目の食料、レース中の水分、栄養補給品などの買い出しに行きます。地方の商店は閉店時間が早いので注意が必要です。

キャンプ

ピット会場は熊出没の危険性があるためキャンプは禁止となっています。
以前はファミリースポーツセンター横にキャンプできたのですが、周辺住民から苦情が来たせいか、今は渡島鶴岡駅近くの鶴岡農村公園が指定キャンプ場になっています。場所が狭く基本的には早い者勝ちなので、あまり無茶な場所取りは禁物です。水はトイレの手洗場の水道があります。ここも近くに民家があるのであまり騒がないようにしたいです。

1日目の朝は早いので、この日の宴会は避けて、ゴーグルのロールオフの準備でもして、早く寝た方がいいです。


長くなってしまったので、レース当日のスケジュールは次の項目で説明します。

つづく

(2008年度版に加筆・修正)

Road to STDE 木古内への道
Vol.1 まずは申込み
Vol.2 参戦準備
Vol.3 レース前のスケジュール
Vol.4 レース当日
Vol.5 木古内のコース
Vol.6 マシンと装備
Vol.7 サバイバル

Road to STDE Vol.2 参戦準備

この記事は、『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』への参戦を決めてしまったものの、未知の領域へ踏み込んでしまう不安に嘖まれている初心者ライダーに捧げるものです。


準備と言っても、練習とかマシン製作などの前にやることがたくさんあります。以降の項目は、2007年第22回大会のコース、会場、レースフォーマットなどの詳細が分からないため、2005年までの内容を基本に話を進めたいと思います。


■参戦体制

まず、単独でのSTDE参戦はやめた方がやめた方がいいと思います。できないとは言いませんが、万が一のことを考えて仲間同士チームを組んで行動するべきです。
チームを組んで参戦することで、用意する物を分担したり借りたり、まとまって購入するなどして、各自の負担を軽減することもできるのです。
初参戦ならばなおのこと、仲間内に経験者がいればそれだけで不安の大半は解消されることでしょう。
また、心が折れてリタイヤしそうになったとき、ピットで待っている仲間のことを思うと、あと少し頑張ろうかと思うかもしれません。

仲間がいない場合は、最低でもトランスポーターを運転できるパートナーを一人、確保しておいた方がいいと思います。
自分の友達や彼女や彼氏にサポートを頼むというのは慎重にならざるを得ません。山奥のピットに二日も放置されてしまったら、その後の人間関係に支障をきたすのは必至です。


■用意する物

バイクについては後で説明するとして、それ以外に必要な物をあげておきます。

装備品

木古内のコースは川の中を走らされるので絶対に濡れます。ですから、ウエアは2セットブーツも2セットグローブは周回数分ゴーグルロールオフ付きで周回数分用意しておいた方がいいと思います。環境問題に配慮して、ティアオフ(捨てレンズ)は禁止となっています。
ブーツやヘルメットを二つも用意できないよという場合は、1日目ゴールした後すぐにブーツとヘルメットを洗って乾しておきます。のんびり休んでる暇はありません。ゴーグルもきれいな水で洗っておけば次の日には使えると思います。

転倒、飛び石、木の枝から身を守るため、ニーシンガードエルボーガードブレスト(チェスト)ガードは絶対必要です。シートに座るライディングスタイルの場合、内臓が揺すられて具合が悪くなることがあるので、ウエストベルトを装着した方がいいでしょう。
そのほか、タイム管理のための腕時計携帯工具用のウエストバッグ、キャメルバックやボトルなどの給水用具、水冷エンジンなら冷却水用の500mlペットボトル、万が一の水没対策のために点火プラグ2本ぐらいは用意してください。

また、いくら夏とはいえ北海道ですから、朝晩は冷え込みますし雨なんか降った日には凍えてしまいます。なので、防水機能を持ったジャケットがあった方がいいです。後で説明しますが、1日目は役場前からピット会場までパレードがあるので、その時にもジャケットが必要になるかもしれません。

1日目より2日目の方が周回数が多いため、私は1日目は予備装備、2日目に使い慣れた本番用装備を使用するようにしています。
写真は1日目に撮影されることが多いので、写りを気にする場合は1日目に本番用の装備にする方がいいでしょう。

ピット用品

チームでも単独でも、ピット用のテントはあった方がいいと思います。風でテントが飛んでいかないように固定する必要があります。ピット会場が河川敷のためペグが効かないところもあるので、重りになる物があればいいでしょう。
工具ウエス軍手パーツトレー、タイヤ交換するならセンターアップスタンド敷物空気入れかコンプレッサー、ムースを使うならタイヤチェンジャー椅子テーブル物干し用のロープバケツ、レース会場には水道がないので水タンク一人最低20リットルは必要です。
また万が一のため、消火器もあった方がいいと思います。

消耗品関係

2008年はコース長約38kmで1日目1~3周、2日目3~5周となっているので、走行距離は例年どうりみたいです。ということでガソリンは1日目15リットル2日目30リットルは必要だと思われます。チャレンジクラスはこの半分でも間に合うと思います。
2stエンジンの場合は、ガソリン携行缶は二つあった方がいいです。混合燃料を作るとき、半端に余っていると混合比の計算が面倒です。

タイヤは当然前後新品装着ですが、2日目にタイヤ交換するかどうかはその時の状況次第です。通常クラスならリアタイヤは交換は必然です。チャレンジクラスでも、2日目に雨が降っていたら迷わす交換した方がいいでしょう。
交換するならスペアタイヤを用意、フロントまで交換する人はほとんどいません。

STDEのコースは非常にパンクが多いです。少しでも上を目指すならムースチューブを使用するべきです。チューブ使用の場合でもスペアは前後2セットは用意しておいた方がいいと思います。

スペアパーツに関しては、どこかで線引きしなければ切りがありません。頑丈なハンドガードを装備していれば、ブレーキレバー、クラッチレバーは折れることもないし、クラッチが逝ってしまったらその場でリタイヤした方がいいのです。
私の場合、修理に30分以上かかるような部分に関しては用意しない、という基準にしています。使えそうな中古のブレーキパッドは捨てずに取っておくと、いいことがあるかも知れません。ボルト類が脱落する場合が多いので、各サイズ用意しておいた方がいいでしょう。

ケミカル類は、チェーンオイルパーツクリーナー、意外と多いブレーキトラブルのためにブレーキフルード、水没したときのためにエンジンオイルギアオイルも必要になってくるでしょう。晴天の場合は埃を吸い込むため、エアクリーナーフィルターの予備を用意した方がいいでしょう。
そのほか役に立った物として、泥落とし用のしゃもじ太めの針金ガムテープ結束バンド金属用エポキシパテなどでしょうか。

それと、絶対用意した方がいい物として、防虫スプレーか蚊取り線香があげられます。
STDEのピットは河川敷に設置され、まわりには小川や水田があるので、蚊や蚋が無数にわいて出ます。しかもあそこの虫は超強力で、刺されるとものすごく腫れます
ピット要員は、長袖長ズボン帽子などで完全防備しておかないと、10日ぐらいは苦しむことになります。

あと、どうしても靴が汚れるので、ピット用の靴を用意しておくといいでしょう。

宿泊道具と食事

車中泊・野外キャンプにするのか、施設に宿泊するかで違ってきます。必要に応じて各自準備してください。
上を目指すなら旅館かホテルに宿泊した方が絶対いいです。飯の支度はしなくていいし、風呂に入ったらあとは温かいふとんで寝るだけです。
ある程度の宴会は許されるかも知れませんが、2日目の朝は早いです。くれぐれも寝過ごさないように。

食事については、1日目終了後にレセプションが行われ、ジンギスカンが食べ放題なので一食浮く計算です。
金曜の夜から入るのなら、金曜:夕食、土曜:朝食・昼食、日曜:朝食・昼食の5食となります。
そのほかにレース中の飲料、栄養補給も必要です。長時間のレースなので人間が燃料切れになるの絶対に避けたいです。


■軍資金

これが一番頭の痛い問題です。札幌から車中泊で参戦する場合に当日消費する分のみあげてみます。

参加料 25000円
タイヤフロント1本、リア2本 45000円
ガソリン ハイオク 133円x30リットル 4000円
食事5食×1000円 5000円

このほか移動にかかる費用として、札幌-木古内往復ハイエースバン・ディーゼルで1タンクでぎりぎり往復可能として。

軽油60リットル 105x60 6300円

合計 85300円

これに、本州組や道東・道北方面の遠隔地なら、フェリー代とか高速代が加わることになります。

これをみると、エンデューロってとってもお金のかかるブルジョワな趣味だと言えますね。

つづく

(2008年度版に加筆・修正)

Road to STDE 木古内への道
Vol.1 まずは申込み
Vol.2 参戦準備
Vol.3 レース前のスケジュール
Vol.4 レース当日
Vol.5 木古内のコース
Vol.6 マシンと装備
Vol.7 サバイバル

Road to STDE Vol.4 レース当日

この記事は、『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』への参戦を決めてしまったものの、未知の領域へ踏み込んでしまう不安に嘖まれている初心者ライダーに捧げるものです。


私のところにも2008年の仮申し込み受理書が届きました。同封のタイムスケジュールに基づいて、レース当日の行動シミュレーションをしてみます。参戦体制や宿泊状況によって違いがあるとは思います。これは一つの例としてとらえてください。


■1日目

04:45 起床

05:30にピット開放されるので、それまでにはピット会場へ移動できるように起床します。うちのチームの場合ほとんどが車中泊で、前日寝る前に荷物を全て積み込んでおいて、起きたらすぐ移動できるようにしています。
ピットに着いたら畳んでおいたテントを張り直し、そこで朝食を取ります。火を使う場合はガソリンタンクに注意してください。

朝食が済んだらウエアに着替えて、開会式会場へ移動します。この時の装備はパレードを走行できればいいので、フル装備でなくてもかまいません。受付時にもらった胸ゼッケンは必ず装着しなければなりません。携帯工具は絶対に持って行った方がいいです。朝は寒いのでジャケットを羽織ったり、パレードまで時間があるため軽食を持っていく人もいます。

07:30 開会式会場へ移動

ピット会場から開会式会場までは、特別仕様のリムジンバスが用意されます。これを利用する場合は、時間に遅れないようにしてください。遅れるとピットに置き去りにされます。運転手が確保できる場合は、自分のトランスポーターで移動してもかまいません。

※土曜の朝受付車検の場合

今までは、朝一で受付・車検→ピットへ移動→ピット設営・準備→スで開会式会場へ、という流れでしたが、2007年大会から土曜の受付・車検時間が後に変更されたため、先にピット設営をした方がいいかもしれません。

前日受付組と同じく05:30にピット会場へ移動、ピット設営、朝食、準備のあと、07:00からの受付・車検に間に合うように自走で開会式会場へ移動、受付・車検という流れでしょうか。この場合、書類を持ち歩くためのディパックなどが必要です。

開会式会場からピット会場までは、当日の朝は込み合うと思うので、車で20~30分の時間はかかると思っておいた方がいいでしょう。サポート要員がいる場合は、先に受付・車検を済ませ、ピット設営はサポートに任せるという手もあります。この辺は各選手ごとに事情が違ってくると思うので、事前にしっかり計画しておくべきです。



08:30 開会式

開会式が始まるまでにはけっこう時間があります。暇を持て余さないように、朝食を小分けで取ったり、まわりの人たちと談笑したりして過ごすのもいいでしょう。



開会式といえばなんといってもこの方、大森 伊佐緒 木古内町長(2007年4月現在)です。町長の歯切れのよい挨拶によって、一発で目が覚めます。来賓挨拶とか選手宣誓、交通安全宣言などの後、5人づつ車両とともに並んで選手紹介が行われます。これもけっこう時間がかかります。

09:40 パレード

選手紹介後いったんバイクを路地に整列し、全選手の紹介終了後、白バイに先導され町内をパレードし、ピット会場へ向かいます。
このパレードの最中、必ずプラグがかぶったりエンジン不調で止まる選手がいるため、携帯工具は必ず持ち歩くようにした方がいいです。それから、新品のエンデューロタイヤは、舗装路ではものすごく滑るので、転倒には十分注意してください。

交通安全宣言の襷をかけてパレードを行います。この襷はピット会場の入り口で回収します。ピットに到着後ゼッケン順にバイクを整列し、燃料補給などの整備を行います。私はここでライトまわりへのテーピングや、タイヤ空気圧の調整を行います。私はこの後にウエア類を本番用装備に変えて、ライダースミーティングに備えます。



10:30 ライダースミーティング

ここで競技部の大森さんによる説明があります。大事な説明なので必ず出席しなければなりません。かなりきついことを言われるかもしれませんが、びびってはいけません。ライダースミーティング後、自分のバイク付近でタイムカードの配布が行われます。あとはスタートを待つばかりです。

11:00 スタート

スタートは5台一組1分間隔で行われます。毎年200台前後の参加なので、スタートが終わるまで40分近くかかる計算です。後ろの組の場合、トップグループのスタート見物している余裕もありますが、あまり余裕かましていると出遅れることになります。スタート前は緊張のあまりもよおす場合が多いので、事前にトイレへ行くなどした方がいいです。

そしていよいよ自分の組のスタート。前の組がスタートしたら、この恐怖のお立ち台にバイクを押し上げ(スタッフの補助が付きます)、ここでまた選手紹介があります。最も緊張する一瞬ですが、慌てずにガソリンコックONメインスイッチONゴーグルの装着、タイムを計るならストップウォッチの確認をして、カウントダウンとともにエンジンスタート。木古内のサバイバルコースへ突入です。



ピット作業やレース途中の注意点は別の項目で説明します。

15:00 周回スタート終了

無事規定周回数をこなしゴールすると、ピットには戻らずにマシンプールされます。マシンプールするときに、タイヤやチェーンの状態車体各部の緩みナンバープレートと保安部品の破損状況などを確認し、2日目朝の整備計画を立てます。この時も、バイクのメインスイッチOFF、ガソリンコックOFFは忘れずに。

無事ゴールしてもゆっくり休んでいる暇はありません。すぐに着がえて、ブーツやヘルメット、ゴーグルなどの予備が無い場合は洗って乾かすなりした方がいいです。チームの全員が無事ゴールしたらピットを畳んで、すぐに次の行動に移った方がいいです。

18:00 交流パーティ

交流パーティの前に風呂に入るか、後に入るかは、各参加者の事情に合わせた方がいいでしょう。うちのチームは通常先に風呂に入ってから、2日目の食料やガソリンの買い出しをして、交流パーティーに向かいます。木古内近郊には数多くの温泉があります。知内のこもれび温泉ビュウ温泉のとやを良く利用します。(のとやのお湯は熱いです)

交流パーティーではジンギスカンや海産物のバーベキュー、ビールやドリンク、おにぎりなどが提供され、町内のよさこいチームとダンサーTomiki氏による演舞が催されます。ここで1日目のリザルト配布も行われます。2日目のスタート順が書いてあるので、必ず確認してください。



19:30 1日目終了

あとは、1日目の反省会(という名の宴会)をするなり、2日目に向けての準備をして、ゆっくり体を休めて早めに寝ましょう。


■2日目

05:15 起床

2日目のピット開放は06:00です。たぶん筋肉痛で動けないと思うので、早めに起きて体を慣らしておいた方がいいです。2日目の朝はスケジュールが立て込んでいるので、早めに移動して先に朝食を取った方がいいです。
ピットについたらすぐに車両整備の準備をします。

06:45 車両保管解除

胸ゼッケンを付けてバイクを引き取りピットまで押してきます。ガソリン補給冷却水補給チェーンヤ可動部への給脂各部ボルトの緩みチェック破損箇所の修理は最低やらなければなりません。キャブに残っているガソリンも一回抜いた方がいいです。余裕があればバイクの泥落とし、エアクリーナーフィルター交換、オイル交換も行うライダーもいます。
タイヤ交換をするかどうかは各自の判断によります。通常クラスならリアタイヤは交換した方がいいでしょう。
このように、30分の整備時間でやることはたくさんあるので、事前に計画を立てておくことが必要です。

車両整備終了後、エンジンウォーミングアップの時間があります。その後、1日目の成績によって決められるスタート順にバイクを並べます。

07:30 ライダースミーティング

2日目もライダースミーティングがあります。ミーティング後すぐにスタートなので、この時点までに本番装備に着がえておいた方がいいです。1日目と同じように、ミーティング後に自分のバイクのそばでタイムカードが配布されます。

08:00 競技スタート

スタート方式は1日目と同じです。あとはゴールを目指して突っ走るだけです。

15:00 競技終了

1日目の完走者数によってゴール閉鎖時刻が変わってきますが、普通に走って13:00~14:00ぐらいまでにはゴールできるはずです。チャレンジクラスはもっと早く終わりますね。
1日目と同じく、正規にゴールするとマシンがプールされます。この時に保安部品やナンバープレートが脱落しているとペナルティータイムが加算されるので、山中に部品を置いてこないように、意地でも持って帰るようにしましょう。



無事ゴールしても、だらけている暇はありません。すぐに着がえて食事を取りながら、『俺はとっくの昔にゴールしてるぜ』というように涼しい顔をしてライバルの到着を待ちましょう。

周回スタート終了、コース閉鎖後に車両保管が解除されます。それまでに、汚れ物のパッキング、ピットエリアの整理、撤収準備を済ませておきましょう。閉会式までの短い時間ですが、帰りの運転のことを考えて仮眠を取っておくのもいいでしょう。

16:00 表彰式・閉会式

帰りのフェリーの時間に間に合わないとか、この後仕事(笑)とかの特別な理由がない限り、閉会式に出席するのは最低限のマナーと考えます。間違って入賞してしまった仲間がいたら、表彰式は大いに盛り上げてください。来年は絶対あそこに立ちたいと思うはずです。



16:30 帰途

さて、競技が終了したからといって、エンデューロが終了したわけではありません。無事に帰宅して、初めて一連のスケジュールが終了なのです。運転中に疲れて眠くなってしまうのは確実です。一人の場合は途中仮眠をとるぐらいの余裕が必要です。チームで乗り合いできれば、運転を交代するなどできるのです。
途中温泉に入って帰るという人もいますが、私は眠くなるのでなるべくノン・ストップで帰宅します。
月曜日、仕事に遅刻しないように、帰宅後は風呂にはいってすぐ寝ましょう。


これで、レース前の準備段階からレース当日まで、どのような流れで進んで行くのか分かったと思います。タイムテーブルは変更になる場合もあるけど、状況に応じて臨機応変に対応したいですね。

いよいよ次からは、木古内のコース、マシン製作、練習方法などを説明したいと思います。

つづく

(2008年度版に加筆・修正)

Road to STDE 木古内への道
Vol.1 まずは申込み
Vol.2 参戦準備
Vol.3 レース前のスケジュール
Vol.4 レース当日
Vol.5 木古内のコース
Vol.6 マシンと装備
Vol.7 サバイバル

Road to STDE Vol.5 木古内のコース

これは、『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』への参戦を決めてしまったものの、未知の領域へ踏み込んでしまう不安に嘖まれている初心者ライダーに捧げるものです。


2006年大会は、冬の豪雪や林道が工事やのためコース設定に問題があり、大会は中止となってしまいました。2007年のコースは今までのコースと違う部分が有るのは確実で、開催要項によると距離は約40kmと若干短くなっています。ただし、開催場所は同じなので、過去のコースとほぼ同じであると思われます。
2008年のコースは、近年環境保護の機運が高まってきたせいか、木古内名物だった林間のサバイバルセクションなどが使用できなくなり、林道中心の高速コースとなっているようです。主催者発表では約38kmとさらに短くなっています。

私は2007年のコースを走っていないため、2005年までのコースを基に説明することにします。


■コース概要

右の図は2005年・第21回大会のプログラムに掲載されたコース図です。中野川の周囲を巡る林道を中心に、林間の作業道、ガレ場、河川、沢などのセクションで構成されたコースとなっています。ピットエリア近くが一本道となっているため、橋を利用した立体交差になっています。ピットエリア近くを除いて、2日目は1日目の逆回りとなります。逆方向の走行が困難な部分は、1日目とは違うルートになる部分があります。
コースの難易度は、良く整備されたマシンと若干の体力と折れない心があれば、初心者以外は問題なく帰ってこれるぐらいのレベルです。ただし、制限時間の設定が厳しいため、天候が悪化したり、ミスを重ねてしまったりすると、時間内に走りきることが難しくなります。チャレンジクラスは周回数が少ないため、かなり余裕があります。


コースの細かいレイアウトは周回方向になどによって変わるため、各パートごとにコースの説明をして行きます。

■ピットエリア付近

まず、スタート台はコンクリート製の常設となっています。スタート直後右ターンして土手を登ります。無理してインを取ると、加速不足で土手を登れない場合もあるので注意してください。200mぐらい進んで土手を降りて、ピット脇の河原を進みます。この土手は1周目のスタートの時のみ使用します。ピット脇の河原はけっこう大きな石があるのでパンクに注意です。その後、川と水田の間を通って大きめの段差を登り、河原のモトクロス風コースを走ります。ジャンプ台の直後に水がたまっていることがあるので、注意してください。モトクロス風コースが終わると、フラット林道に出ます。この間2~3分ぐらいだと思いますが、緊張のあまり腕が上がってしまうことも考えられます。最初から飛ばさずに余裕を持って行きたいです。



帰りは、川の中を通ってピット脇の河原に戻ってきます。この帰り道の川が最も水没の危険性が高い場所です。小学校の理科を思い出して川の中を進んでください。ゴールは土手の下を通ってスタート台に戻ってきます。タイムチェック後ピットに戻ります。ピットロードは基本的に一方通行なので、自分のピット位置を忘れないように。ピット作業後再スタート位置へ移動し、係員の指示に従って、タイムカードに記入されたスタート時刻に再スタートします。


■フラット林道

川沿いの林道は比較的細かい砂利で路面もフラットなためスピードが出ます。回り込んでいるカーブが多く、ブラインドコーナーの先に橋があったりして、ブレーキングをミスると即コースアウトです。何ヶ所か、全開にできる長い直線部分もあります。上に高圧線が見えるところは、乾燥するとかなりほこりが立ちます。レース後半になるとコーナーの入り口が荒れてくるので、ブレーキングミスには十分注意してください。


■川

木古内を象徴するのが川のコースです。河原は小~中ぐらいの砂利なのですが、コース部分は整備されていて、かなり走りやすくなっています。マシンホールドをしっかりしていれば、3速ぐらいで全開走行できます。川の中を通ったり、深いところを渡ったりしながら進んで行きます。
注意するのは川の脇にある谷地(沼地)です。冷静にラインを選べば問題ありません。周りの草木に泥が付着しているところはアズった跡なので、そこはやめた方がいいです。太めの木が生えてるところも、地中の根が邪魔する場合があるので避けた方がいいです。


■砂防ダム付近

周りが木に覆われた粘土と石が混じった路面です。石が露出していて湿っているので良く滑ります。山の斜面を横切るため、片側が崖なので、落ちると復帰は不可能です。道幅の狭い赤土の粘土路面もあります。不規則なギャップと轍が続くので、オーバーペースには注意です。


■高圧線下

黒土のウオッシュボードが延々と続きます。途中2カ所土手を登りますが、裏側がすぐ下っているので、勢いを付けすぎると吹っ飛んでしまいます。


■林間の作業道

木古内のコースで最も厳しいパートであると思われるのが、この林間の作業道です。人工林の中を巡る作業道が何ヶ所かあります。黒土・赤土の粘土質で、日影になるため常に湿っています。地盤は比較的硬いのでそれほど深くはなりませんが、延々と轍が続きます雨が降ると地獄になります。
傾斜のきつい部分もあるので、途中で止まってしまったら再スタートが難しくなります。林間作業道は距離が結構あるため、低いギヤで引っ張って、ホイールスピンさせながら進むと、すぐにオーバーヒートしてしまいます。
作業道の脇は笹藪になっていて、間伐した枝などが堆積しているため、落ちると復帰するのがかなり面倒です。


■沢

コースをかなり進んだところにあります。最初は大きめの石ですが、上流に行くほど下の岩盤が露出してきます。最初のうちは滑りますが、周回数が進むごとにコケがはがれて砂利が飛んでしまうので、走りやすくなります。岩盤が斜めに劈開している部分があって、真っすぐ進むとフロントが取られて転倒確実です。水の中に隠れている場合もあるので要注意です。途中狭くなって直角に曲がる部分がありますが、そのイン側の土手に木の切り株があって、激突してチャンバーをつぶしたり、足を怪我したりするので注意してください。


■コース奥の山

コース一番奥の山頂付近に、笹藪を切り開いた黒土路面があります。木の間を縫って行くため、所々根が露出しています。ここの坂には深い轍ができるので、登りの場合はオーバーヒートに注意です。

砂利が敷かれた長い直線の赤土作業道があります。下りなのですが最後の部分に車止めの盛り土があります。途中に分岐があって、1日目と2日目でコースが変わる場合があります。

沢づたいに降りてくるガレ場があります。逆だと登りになりますね。角がとがった大きめの石が多く、道幅も狭いのでフロントがはじかれないように注意が必要です。当然パンクにも注意です。私はここが一番好きな場所です。


■林道

切り通しの林道は中くらいの角ばった砂利が多く、レース後半になるとコーナーの砂利がよせられてバンクになり、そこに乗り上げると外側にはらんでしまいます。大きく回り込んでいるコーナーもあるので、リズムに乗せるのが難しいところもあります。


■まとめ

全般的に言えるのは、何年も同じ場所を使用しているため比較的整備が行き届いていて、サーキットエンデューロと違って細かいターンはほとんどなく、条件が良ければ気持ちよく走れるコースになっています。
トップクラスは約50kmのコースを1時間そこそこで帰ってきますから、平均時速50km/h近くですね。まさしくこれが、北海道のオープンエンデューロというコースです。


以上、木古内のコースで特徴的な部分のみ説明してみました。木古内のコースのすべてを、文章で説明するのは不可能です。実際に走ってみなければ分からないと思います。

しかし、それでも事前にイメージをつかみたいという場合は、Off-Road Paradise Z から発売されているDVDを見れば一目瞭然なのです。現在、トップページには2005年のDVDが発売中となっていますが、過去には2002※、2003、2004のVHSビデオが発売されていました。旧TOPページにその形跡があります。現在もこのビデオが販売されているかどうかはわかりません。入手できるならこれらも見ておくと良いでしょう。

※2002年STDEビデオは BIGTANK MAGAZINE からの発売です。(現在欠品中) 謹んで訂正させていただきます。

次は木古内のコースを攻略するためのマシンについて説明しようかなと思います。

つづく

(2008年度版に加筆・修正)

Road to STDE 木古内への道
Vol.1 まずは申込み
Vol.2 参戦準備
Vol.3 レース前のスケジュール
Vol.4 レース当日
Vol.5 木古内のコース
Vol.6 マシンと装備
Vol.7 サバイバル

Road to STDE Vol.6 マシンと装備

この記事は、『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』への参戦を決めてしまったものの、未知の領域へ踏み込んでしまう不安に嘖まれている初心者ライダーに捧げるものです。


エンデューロレースに出場するためのマシン製作やライディング装備などは、人それぞれ好みやポリシーがあったり、コース状況によって変わってくるため、これが正解だと言うことはできません。ここでは木古内向けの一つの例として、私のマシンの制作ポイントと装備を説明します。


■レース車両

木古内の車両規定では、日本国内正規登録されたオフロード二輪車、排気量100cc以上(レディースは70cc以上)法定内の改造または無改造車両ということになっています。昔と違って、国内市販トレール車でエンデューロに使用できそうなモデルが限られているため、ほとんどが国外メーカのエンデューロレーサー、国産の逆輸入車になると思います。
木古内のコースは過去何年にもわたって使用されていて、コースも良く整備されているため、国内市販トレール車でも走れ無ことはないと思いますが、技術が未熟であればなおのこと、走破性能の高いエンデューロレーサーを選択した方が賢明です。

オフロードバイクといっても、エンジン形式や排気量など様々な種類があります。やはり最強と思われるのは、軽さとパワーを兼ね備えた 2ストローク250cc のマシンだと思います。木古内のコースには、長い作業道の登りなど小排気量車には厳しい場所があるため、少しでもパワーに余裕があった方がいいと思います。
それと、初心者の場合、転倒や操作ミスなどでエンジン再始動の機会が多くなると思われるので、できればセルフスターター装備のマシンを選んだ方が、体力の消耗を軽減できると思います。

私は過去に02'WR250Fと98'YZ400Fで参戦しました。
今は、ハイパワーの4ストローク250ccが主流になっていますが、やはりWR250Fだとパワー不足を感じる部分がありました。大きめの石の河原でも、サスペンションなのかタイヤのせいかははっきりしませんが、思いどうりに走ることができませんでした。
YZ400Fの場合、サスペンションが硬めで、ある程度車重があるためか、石の河原は攻めることができました。そのあと転んで抜き返されましたが。

何れにしろ、木古内のためだけにマシンを用意するわけにもいかないので、普段乗り慣れたマシンで参戦することになると思います。


・タイヤ

タイヤはオフロードレースで最も重要なパーツだと考えています。
木古内では、リアタイヤは公道走行可能なエンデューロタイヤを使用することになっています。フロントタイヤは特に規制はありません。
木古内のコースにはあらゆる路面があるため、オールマイティーなタイヤがあればいいのですが、実際にはそんなタイヤはありません。どこかにポイントを絞ってタイヤを選ぶことになるのですが、やはり粘土の作業道や谷地を考えると、ソフト路面用のタイヤがいいかと思います。

木古内では、ミシュラン ENDURO COMPE III や メッツラー 6DAYS などを選ぶ選手が多いのですが、これら国外メーカのエンデューロタイヤはムースの使用を前提に作られているため、チューブの場合リム打ちなどでパンクの可能性があります。実際パンクの被害は多いです。トップグループの選手たちは、ほとんどムースを使用しています。
川の中を走るため、タイヤの内部に水が入り込みホイールが空回りすることがあるので、チューブの場合はもちろん、ムースの場合でもビードストッパーは装着した方がいいです。特に痩せたムースが空回りすると手に負えません。

2日目にタイヤ交換を行う場合は、事前に一度ホイールに組んでおくと交換作業がしやすくなります。当日慌てないように、タイヤ交換の練習も必要です。

私はチューブ使用派なのですが、サイドウオール部分が強化されたブリヂストンの ED668 というタイヤを使用しています。パターンはみるからにソフト用となっていますが、タイヤ自体が硬めなので砂利の路面や岩盤を走っても、意外としっかりしています。このタイヤには、空気圧を落としてもタイヤがリムから外れないように、リムガードという構造が設けられています。タイヤが硬いのでタイヤ交換は苦労します。



フロントタイヤに関しては、モトクロスタイヤも使用可能なのですが、モトクロスタイヤは各路面状況ごとに最も高い性能を発揮できるように作られているため、リアタイヤ以上にピンポイントでどこかの路面に合わせることになると思います。無難に前後同じメーカーのエンデューロタイヤでそろえた方がいいかと思います。


・水対策

木古内で最も重要なマシン製作のポイントは、水対策だと思います。

キャブレターのフロート室を大気圧に開放するために、ベントチューブが取り付けられています。通常はこのチューブはフレームの下の方に垂れ下げられているため、泥が付いたり水に浸かったりすると、ガソリンが吸い上げられなくなります。通常2本付いているはずなので、そのうち一本をエアクリーナ内かガソリンタンク下辺りに持っていきます。FCRキャブレターでは左右2カ所からそれぞれ2分岐して4本のチューブがあります。



YAMAHAのYZ/WR-F系エンジンでは、ヘッドカバーにエンジンブリーザーパイプが接続されていて、そのままフレーム下に開放されています。この開放部分が水に浸かった状態でエンジンを止めると、エンジンが冷えて内圧が下がって、ブリーザーパイプから水を吸い込んでしまう場合があります。水没していないのもかかわらず、エンジンオイルが白濁してしまったという経験をした多いでしょう。これを防止するため、ブリーザーパイプを2分岐して、一方を水を吸い込まない位置まで持っていきます。



2002年のWR250Fでは、エアクリーナボックスの水抜きが透明チューブで栓がしてあったため、水が入っても抜けないようになっていました。YZ400Fは最初からこのように開放になっています。国産モトクロッサーベースのエンデューロマシンではエアクリーナ下部が大きく開放されていて、そこから水が入り込む場合もあるので、ガムテープやゴムシートを張りつけるなどして、水の侵入対策をした方がいいと思います。

また、YZ400Fは純粋なモトクロッサーなので、WR-Fのようにエアクリーナーボックスの蓋がありません。過去に勢いよく川に突っ込んでいった際、タンクの間からエアクリーナーに水が入り込んで、エンジンが止まりそうになったことがあります。隙間にスポンジを詰めるか、蓋を作るかの対策をする予定です。

電装系の水対策としては、プラグコード・キャップ・電線などの被覆のクラックや破れを補修しておくとか、端子部分の泥をきれいに落としておくとかの対策が有効です。純粋な水は絶縁体ですが、水に他の物質が溶けてイオン化すると電気を通すようになるのです。常にマシンをきれいな状態に保つのも重要な整備の一つです。(汚いバイクを例えにして言うのも何ですが)


・泥対策

私は、泥対策は特別なことはやっていません。せいぜいフェンダー裏やスイングアームの付け根、リムの表面などにシリコンスプレーを吹き付けるぐらいです。なぜかと言えば、川の中を走れば、ほとんど泥が落ちてしまうからです。

標準でチェーンカバーが付いている場合は、外さないでそのまま付けておいた方がいいです。タイヤで巻き上げられた泥がチェーンを伝って、ドライブスプロケット側に運ばれて行くらしいです。ドライブスプロケットのカバーは、安全対策からいって外さない方がいいと思います。市販トレール車などで完全カバーされている物は泥詰まりが懸念されるため、社外品のパーツに取り替えた方がいいでしょう。

泥対策とはちょっと違いますが、夏の暑い時期のレースのため、オーバーヒート対策も重要です。最低でもラジエータのリザーバータンクは付けておいた方がいいと思います。GASGASの車両に付いているリザーバータンクっぽい物は、リザーバーとしての機能は持っていないので注意が必要です。
また、冷却液に真水を使うと沸点が低くなるため、オーバーヒートするとすぐ水を噴きます。

YZ400Fにはラジエータ以外何もないのですが、ラジエータファンとリザーバータンクを後付けしています。



あと、ライダーとマシンをつなぐ最も重要な部分であるフットステップですが、長い間使用していると角が丸まって滑るようになります。そうなったら、やすりで削ってやればいいのですが、三角形に研ぐ必要はありません。平らでも角が立てば十分機能します。


・ガード類

木古内では、スタート直後は他の選手と接近した状態で走るため、前走者からの飛び石がかなりあります。怪我や破損を防止するためにも、ハンドガードの装着が不可欠です。金属製にするかプラスチック製か、オープンタイプにするかクローズタイプにするかは、それぞれ個人の好みに合わせればよいのですが、初心者の場合転倒が多いためレバー破損防止のためにも、金属性のしっかりしたハンドガードの方がいいと思います。
ヘッドライトレンズの破損を防止するためにも何か対策をした方がいいでしょう。私の場合は、ゴーグルの使い古しのレンズがぴったりでした。

アンダーガード、フレームガードについては、ウオーターポンプやオイルラインの保護ができる程度の物でいいと思います。大きなアンダーガードを装着すると、隙間に泥が詰まって重たくなります。泥詰まりを防止するには、隙間にスポンジを詰めておく方法があります。値段の高い耐油スポンジでなくても、台所用スポンジでも十分です。



轍走行が多いため、ブレーキペダルが引っかかって曲がってしまうのを防止するため、ブレーキセーバーを装着しています。アンダーガードに、ブレーキペダル保護用の突起が付いている物もあります。

私のマシンは元々は純粋なモトクロッサーのため、保安部品は装備されていません。そのため、市販のパーツ組み合わせて装着していますが、リアフェンダーの剛性が低くて、走行中にテールランプ部分を巻き込んでしまうことがあります。それを防止するために、レンサルハンドルバーのブリッジ部分を利用したサブフレームを仕込んであります。また、ナンバープレートの裏側にガムテープを貼りつけ、振動防止とクラックが発生した場合の破損防止を行っています。せっかくレースを完走しても、ナンバープレートを落としてくるとペナルティータイムが加算されてしまいますから。
保安部品を止めているナットは、全てこのセルフロックナットに交換し、緩みを防止しています。




・その他

木古内では周回チェックにタイムカードを使用します。スタートとゴール以外でも、コース中の中間チェックでも出さなければなりません。そのため、マシンに備えつけのタイムカードホルダーやウエストバッグなどが必要ですが、最近は、ハンドルバーパットにゴムバンドをくくりつけて、その間にタイムカードをはさむという方法が流行っています。これは、1秒を争っている場合はともかく、タイムカード紛失のリスクがあるのであまりおすすめできません。


■ライディング装備

・ヘルメット

ヘルメットはなるべく軽い方がいいです。重いと首が疲れます。あまり古いヘルメットは、頭部保護の点からみても使用しない方がいいでしょう。


・ゴーグル

北海道のオープンエンデューロでは、ゴーグルの捨てレンズは使用禁止です。従って汚れ防止のためにロールオフを装備することになるのですが、川の走行が多い木古内ではフィルムとレンズの間に水が入り込んで、フィルムが貼り付いてしまうことがあります。それを防止するためのテグス張り加工が、いつの頃から行われるようになりました。貼り付き防止のエンボス加工されたレンズもあるのですが、そのエンボスに焦点が合ってしまって非常に見づらい場合があります。
私の周りでは、マッドフラップ(ロールオフバイザー)の隙間から水が入り込まないように、ゴーグルのフレームを包むようにテープを貼ったりしています。
それから、ロールオフフィルムは、きれいな面がレンズ側になるように装着します。




・ブレストガード

木古内では布製の胸ゼッケンを装着して走らなければならないため、大きめのブレストガードではゼッケンが装着できないこともあります。その場合、布ゼッケンのひもを切ってブレストガードにくくりつけてもかまわないようです。


・ブーツ

初心者の場合、押しが入ることもあると思うので、普通のエンデューロ用ブーツがいいと思います。私はビブラムとかタンク底といわれるソール形状だと、ステップに引っかかるのが嫌なので、モトクロス用ブーツを使用しています。平らなモトクロス用ソールでも、角の部分でグリップすれば、ぬるぬる路面でもなんとかなるものです。


・飲料水

長丁場のレースなので、途中で水の補給は必至です。ウエストバッグにペットボトルを入れておくという方法もありますが、普通はボトルやキャメルバッグを背負うことになります。中に入れる物としては、普通の水からスポーツドリンク、機能性飲料など様々ですが、各自の体質などにあった物を用意した方がいいです。
私は、緑茶と水を1:1ぐらいで割った物を入れています。スポーツドリンクや栄養ドリンクはピットに置いておいて、スタート前やピット作業中に飲むようにしています。

飲料水の他に、ラジエータの冷却水の予備として、真水をペットボトルに入れて持ち歩いています。


・携帯工具

ライディングの邪魔になるからといって携帯工具を持たない人もいますが、最低限スペアのプラグとプラグ交換ができる程度の工具は持っていないと、水没即リタイヤということになります。プラグレンチは車両によって専用の工具でなければ使えない場合もあるので、自分の車両にあった工具を持ち歩くようにしてください。
また、パーツが破損した場合の応急修理のために、ガムテープや針金、結束バンドなどを持っておくといいと思います。ガムテープは怪我した場合の応急処置にも使えます。

以下に、私がいつも持ち歩いているウエストバッグの中身を紹介します。



プラグ2本、プラグレンチ(専用)、ガムテープ、結束バンド、ステンレスワイヤー、ボックスレンチ(6-14mm)、ラチェットハンドル、L字ハンドル、エクステンションバー、モンキーレンチ、スパナ(8、10、12、14mm)、ドライバーとヘキサゴンレンチのセット、ニッパー、バイスプライヤー

バイスプライヤーは、折れたレバーの代わりに使ったり、破損パーツの固定に使ったりできるので、大変重宝します。工具はこれ一個でいいと豪語するライダーもいます。


ここに上げた物はほんの一例です。説明の足りない部分もあります。自分のライディングスタイルやレベルに応じて、マシンや装備を選んでください。本番になって慌てないように、一度フル装備で、林道や練習コースなどで走っておくことを進めます。


次は何を説明しようか、思案中です。

つづく

Road to STDE 木古内への道
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Vol.3 レース前のスケジュール
Vol.4 レース当日
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