この記事は、『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』への参戦を決めてしまったものの、未知の領域へ踏み込んでしまう不安に嘖まれている初心者ライダーに捧げるものです。
準備と言っても、練習とかマシン製作などの前にやることがたくさんあります。以降の項目は、2007年第22回大会のコース、会場、レースフォーマットなどの詳細が分からないため、2005年までの内容を基本に話を進めたいと思います。
■参戦体制
まず、単独でのSTDE参戦はやめた方がやめた方がいいと思います。できないとは言いませんが、万が一のことを考えて仲間同士チームを組んで行動するべきです。
チームを組んで参戦することで、用意する物を分担したり借りたり、まとまって購入するなどして、各自の負担を軽減することもできるのです。
初参戦ならばなおのこと、仲間内に経験者がいればそれだけで不安の大半は解消されることでしょう。
また、心が折れてリタイヤしそうになったとき、ピットで待っている仲間のことを思うと、あと少し頑張ろうかと思うかもしれません。
仲間がいない場合は、最低でもトランスポーターを運転できるパートナーを一人、確保しておいた方がいいと思います。
自分の友達や彼女や彼氏にサポートを頼むというのは慎重にならざるを得ません。山奥のピットに二日も放置されてしまったら、その後の人間関係に支障をきたすのは必至です。
■用意する物
バイクについては後で説明するとして、それ以外に必要な物をあげておきます。
装備品
木古内のコースは川の中を走らされるので絶対に濡れます。ですから、ウエアは2セット、ブーツも2セット、グローブは周回数分、ゴーグルもロールオフ付きで周回数分用意しておいた方がいいと思います。環境問題に配慮して、ティアオフ(捨てレンズ)は禁止となっています。
ブーツやヘルメットを二つも用意できないよという場合は、1日目ゴールした後すぐにブーツとヘルメットを洗って乾しておきます。のんびり休んでる暇はありません。ゴーグルもきれいな水で洗っておけば次の日には使えると思います。
転倒、飛び石、木の枝から身を守るため、ニーシンガード、エルボーガード、ブレスト(チェスト)ガードは絶対必要です。シートに座るライディングスタイルの場合、内臓が揺すられて具合が悪くなることがあるので、ウエストベルトを装着した方がいいでしょう。
そのほか、タイム管理のための腕時計、携帯工具用のウエストバッグ、キャメルバックやボトルなどの給水用具、水冷エンジンなら冷却水用の500mlペットボトル、万が一の水没対策のために点火プラグ2本ぐらいは用意してください。
また、いくら夏とはいえ北海道ですから、朝晩は冷え込みますし雨なんか降った日には凍えてしまいます。なので、防水機能を持ったジャケットがあった方がいいです。後で説明しますが、1日目は役場前からピット会場までパレードがあるので、その時にもジャケットが必要になるかもしれません。
1日目より2日目の方が周回数が多いため、私は1日目は予備装備、2日目に使い慣れた本番用装備を使用するようにしています。
写真は1日目に撮影されることが多いので、写りを気にする場合は1日目に本番用の装備にする方がいいでしょう。
ピット用品
チームでも単独でも、ピット用のテントはあった方がいいと思います。風でテントが飛んでいかないように固定する必要があります。ピット会場が河川敷のためペグが効かないところもあるので、重りになる物があればいいでしょう。
工具、ウエス、軍手、パーツトレー、タイヤ交換するならセンターアップスタンドと敷物、空気入れかコンプレッサー、ムースを使うならタイヤチェンジャー、椅子、テーブル、物干し用のロープ、バケツ、レース会場には水道がないので水タンク一人最低20リットルは必要です。
また万が一のため、消火器もあった方がいいと思います。
消耗品関係
2008年はコース長約38kmで1日目1~3周、2日目3~5周となっているので、走行距離は例年どうりみたいです。ということでガソリンは1日目15リットル、2日目30リットルは必要だと思われます。チャレンジクラスはこの半分でも間に合うと思います。
2stエンジンの場合は、ガソリン携行缶は二つあった方がいいです。混合燃料を作るとき、半端に余っていると混合比の計算が面倒です。
タイヤは当然前後新品装着ですが、2日目にタイヤ交換するかどうかはその時の状況次第です。通常クラスならリアタイヤは交換は必然です。チャレンジクラスでも、2日目に雨が降っていたら迷わす交換した方がいいでしょう。
交換するならスペアタイヤを用意、フロントまで交換する人はほとんどいません。
STDEのコースは非常にパンクが多いです。少しでも上を目指すならムースチューブを使用するべきです。チューブ使用の場合でもスペアは前後2セットは用意しておいた方がいいと思います。
スペアパーツに関しては、どこかで線引きしなければ切りがありません。頑丈なハンドガードを装備していれば、ブレーキレバー、クラッチレバーは折れることもないし、クラッチが逝ってしまったらその場でリタイヤした方がいいのです。
私の場合、修理に30分以上かかるような部分に関しては用意しない、という基準にしています。使えそうな中古のブレーキパッドは捨てずに取っておくと、いいことがあるかも知れません。ボルト類が脱落する場合が多いので、各サイズ用意しておいた方がいいでしょう。
ケミカル類は、チェーンオイル、パーツクリーナー、意外と多いブレーキトラブルのためにブレーキフルード、水没したときのためにエンジンオイル、ギアオイルも必要になってくるでしょう。晴天の場合は埃を吸い込むため、エアクリーナーフィルターの予備を用意した方がいいでしょう。
そのほか役に立った物として、泥落とし用のしゃもじ、太めの針金、ガムテープ、結束バンド、金属用エポキシパテなどでしょうか。
それと、絶対用意した方がいい物として、防虫スプレーか蚊取り線香があげられます。
STDEのピットは河川敷に設置され、まわりには小川や水田があるので、蚊や蚋が無数にわいて出ます。しかもあそこの虫は超強力で、刺されるとものすごく腫れます。
ピット要員は、長袖、長ズボン、帽子などで完全防備しておかないと、10日ぐらいは苦しむことになります。
あと、どうしても靴が汚れるので、ピット用の靴を用意しておくといいでしょう。
宿泊道具と食事
車中泊・野外キャンプにするのか、施設に宿泊するかで違ってきます。必要に応じて各自準備してください。
上を目指すなら旅館かホテルに宿泊した方が絶対いいです。飯の支度はしなくていいし、風呂に入ったらあとは温かいふとんで寝るだけです。
ある程度の宴会は許されるかも知れませんが、2日目の朝は早いです。くれぐれも寝過ごさないように。
食事については、1日目終了後にレセプションが行われ、ジンギスカンが食べ放題なので一食浮く計算です。
金曜の夜から入るのなら、金曜:夕食、土曜:朝食・昼食、日曜:朝食・昼食の5食となります。
そのほかにレース中の飲料、栄養補給も必要です。長時間のレースなので人間が燃料切れになるの絶対に避けたいです。
■軍資金
これが一番頭の痛い問題です。札幌から車中泊で参戦する場合に当日消費する分のみあげてみます。
参加料 25000円
タイヤフロント1本、リア2本 45000円
ガソリン ハイオク 133円x30リットル 4000円
食事5食×1000円 5000円
このほか移動にかかる費用として、札幌-木古内往復ハイエースバン・ディーゼルで1タンクでぎりぎり往復可能として。
軽油60リットル 105x60 6300円
合計 85300円
これに、本州組や道東・道北方面の遠隔地なら、フェリー代とか高速代が加わることになります。
これをみると、エンデューロってとってもお金のかかるブルジョワな趣味だと言えますね。
つづく
(2008年度版に加筆・修正)
Road to STDE 木古内への道
・Vol.1 まずは申込み
・Vol.2 参戦準備
・Vol.3 レース前のスケジュール
・Vol.4 レース当日
・Vol.5 木古内のコース
・Vol.6 マシンと装備
・Vol.7 サバイバル
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