2006年大会は、冬の豪雪や林道が工事やのためコース設定に問題があり、大会は中止となってしまいました。2007年のコースは今までのコースと違う部分が有るのは確実で、開催要項によると距離は約40kmと若干短くなっています。ただし、開催場所は同じなので、過去のコースとほぼ同じであると思われます。
2008年のコースは、近年環境保護の機運が高まってきたせいか、木古内名物だった林間のサバイバルセクションなどが使用できなくなり、林道中心の高速コースとなっているようです。主催者発表では約38kmとさらに短くなっています。
私は2007年のコースを走っていないため、2005年までのコースを基に説明することにします。
■コース概要
右の図は2005年・第21回大会のプログラムに掲載されたコース図です。中野川の周囲を巡る林道を中心に、林間の作業道、ガレ場、河川、沢などのセクションで構成されたコースとなっています。ピットエリア近くが一本道となっているため、橋を利用した立体交差になっています。ピットエリア近くを除いて、2日目は1日目の逆回りとなります。逆方向の走行が困難な部分は、1日目とは違うルートになる部分があります。
コースの難易度は、良く整備されたマシンと若干の体力と折れない心があれば、初心者以外は問題なく帰ってこれるぐらいのレベルです。ただし、制限時間の設定が厳しいため、天候が悪化したり、ミスを重ねてしまったりすると、時間内に走りきることが難しくなります。チャレンジクラスは周回数が少ないため、かなり余裕があります。
コースの細かいレイアウトは周回方向になどによって変わるため、各パートごとにコースの説明をして行きます。
■ピットエリア付近
まず、スタート台はコンクリート製の常設となっています。スタート直後右ターンして土手を登ります。無理してインを取ると、加速不足で土手を登れない場合もあるので注意してください。200mぐらい進んで土手を降りて、ピット脇の河原を進みます。この土手は1周目のスタートの時のみ使用します。ピット脇の河原はけっこう大きな石があるのでパンクに注意です。その後、川と水田の間を通って大きめの段差を登り、河原のモトクロス風コースを走ります。ジャンプ台の直後に水がたまっていることがあるので、注意してください。モトクロス風コースが終わると、フラット林道に出ます。この間2~3分ぐらいだと思いますが、緊張のあまり腕が上がってしまうことも考えられます。最初から飛ばさずに余裕を持って行きたいです。
帰りは、川の中を通ってピット脇の河原に戻ってきます。この帰り道の川が最も水没の危険性が高い場所です。小学校の理科を思い出して川の中を進んでください。ゴールは土手の下を通ってスタート台に戻ってきます。タイムチェック後ピットに戻ります。ピットロードは基本的に一方通行なので、自分のピット位置を忘れないように。ピット作業後再スタート位置へ移動し、係員の指示に従って、タイムカードに記入されたスタート時刻に再スタートします。
■フラット林道
川沿いの林道は比較的細かい砂利で路面もフラットなためスピードが出ます。回り込んでいるカーブが多く、ブラインドコーナーの先に橋があったりして、ブレーキングをミスると即コースアウトです。何ヶ所か、全開にできる長い直線部分もあります。上に高圧線が見えるところは、乾燥するとかなりほこりが立ちます。レース後半になるとコーナーの入り口が荒れてくるので、ブレーキングミスには十分注意してください。
■川
木古内を象徴するのが川のコースです。河原は小~中ぐらいの砂利なのですが、コース部分は整備されていて、かなり走りやすくなっています。マシンホールドをしっかりしていれば、3速ぐらいで全開走行できます。川の中を通ったり、深いところを渡ったりしながら進んで行きます。
注意するのは川の脇にある谷地(沼地)です。冷静にラインを選べば問題ありません。周りの草木に泥が付着しているところはアズった跡なので、そこはやめた方がいいです。太めの木が生えてるところも、地中の根が邪魔する場合があるので避けた方がいいです。
■砂防ダム付近
周りが木に覆われた粘土と石が混じった路面です。石が露出していて湿っているので良く滑ります。山の斜面を横切るため、片側が崖なので、落ちると復帰は不可能です。道幅の狭い赤土の粘土路面もあります。不規則なギャップと轍が続くので、オーバーペースには注意です。
■高圧線下
黒土のウオッシュボードが延々と続きます。途中2カ所土手を登りますが、裏側がすぐ下っているので、勢いを付けすぎると吹っ飛んでしまいます。
■林間の作業道
木古内のコースで最も厳しいパートであると思われるのが、この林間の作業道です。人工林の中を巡る作業道が何ヶ所かあります。黒土・赤土の粘土質で、日影になるため常に湿っています。地盤は比較的硬いのでそれほど深くはなりませんが、延々と轍が続きます。雨が降ると地獄になります。
傾斜のきつい部分もあるので、途中で止まってしまったら再スタートが難しくなります。林間作業道は距離が結構あるため、低いギヤで引っ張って、ホイールスピンさせながら進むと、すぐにオーバーヒートしてしまいます。
作業道の脇は笹藪になっていて、間伐した枝などが堆積しているため、落ちると復帰するのがかなり面倒です。
■沢
コースをかなり進んだところにあります。最初は大きめの石ですが、上流に行くほど下の岩盤が露出してきます。最初のうちは滑りますが、周回数が進むごとにコケがはがれて砂利が飛んでしまうので、走りやすくなります。岩盤が斜めに劈開している部分があって、真っすぐ進むとフロントが取られて転倒確実です。水の中に隠れている場合もあるので要注意です。途中狭くなって直角に曲がる部分がありますが、そのイン側の土手に木の切り株があって、激突してチャンバーをつぶしたり、足を怪我したりするので注意してください。
■コース奥の山
コース一番奥の山頂付近に、笹藪を切り開いた黒土路面があります。木の間を縫って行くため、所々根が露出しています。ここの坂には深い轍ができるので、登りの場合はオーバーヒートに注意です。
砂利が敷かれた長い直線の赤土作業道があります。下りなのですが最後の部分に車止めの盛り土があります。途中に分岐があって、1日目と2日目でコースが変わる場合があります。
沢づたいに降りてくるガレ場があります。逆だと登りになりますね。角がとがった大きめの石が多く、道幅も狭いのでフロントがはじかれないように注意が必要です。当然パンクにも注意です。私はここが一番好きな場所です。
■林道
切り通しの林道は中くらいの角ばった砂利が多く、レース後半になるとコーナーの砂利がよせられてバンクになり、そこに乗り上げると外側にはらんでしまいます。大きく回り込んでいるコーナーもあるので、リズムに乗せるのが難しいところもあります。
■まとめ
全般的に言えるのは、何年も同じ場所を使用しているため比較的整備が行き届いていて、サーキットエンデューロと違って細かいターンはほとんどなく、条件が良ければ気持ちよく走れるコースになっています。
トップクラスは約50kmのコースを1時間そこそこで帰ってきますから、平均時速50km/h近くですね。まさしくこれが、北海道のオープンエンデューロというコースです。
以上、木古内のコースで特徴的な部分のみ説明してみました。木古内のコースのすべてを、文章で説明するのは不可能です。実際に走ってみなければ分からないと思います。
しかし、それでも事前にイメージをつかみたいという場合は、Off-Road Paradise Z から発売されているDVDを見れば一目瞭然なのです。現在、トップページには2005年のDVDが発売中となっていますが、過去には
※2002年STDEビデオは BIGTANK MAGAZINE からの発売です。(現在欠品中) 謹んで訂正させていただきます。
次は木古内のコースを攻略するためのマシンについて説明しようかなと思います。
つづく
(2008年度版に加筆・修正)
Road to STDE 木古内への道
・Vol.1 まずは申込み
・Vol.2 参戦準備
・Vol.3 レース前のスケジュール
・Vol.4 レース当日
・Vol.5 木古内のコース
・Vol.6 マシンと装備
・Vol.7 サバイバル
2 件のコメント:
詳細な情報を本当にありがとうございます!
ものすごい勉強になりますです!!
2003,2004,2005と木古内ビデオを擦り切れんばかりの勢いで見続けています。
見れば見るほど・・・ですねえ。
コースイメージはなんとなくつかめてきました。
林道もかなりズルズルの感じ・・オーバーペースで突っ込むと間違いなくコースアウトの感じですねえ。
むむむむ、こりゃ燃えてきました!
今の自分のレベルで何処まで走れるのか!
いいモノサシになりそうです!!
資料が少ない、記憶が劣化しているなどで、なかなかうまく説明できせん。
一番最後にまとめを追加したので読んでおいてね。
あと、EARTH APPLEさんにも写真のサンプルがあるので、見ておいた方がいいかもです。
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