この記事は、『サバイバル2Day'sエンデューロin木古内』への参戦を決めてしまったものの、未知の領域へ踏み込んでしまう不安に嘖まれている初心者ライダーに捧げるものです。
私のところにも2008年の仮申し込み受理書が届きました。同封のタイムスケジュールに基づいて、レース当日の行動シミュレーションをしてみます。参戦体制や宿泊状況によって違いがあるとは思います。これは一つの例としてとらえてください。
■1日目
04:45 起床
05:30にピット開放されるので、それまでにはピット会場へ移動できるように起床します。うちのチームの場合ほとんどが車中泊で、前日寝る前に荷物を全て積み込んでおいて、起きたらすぐ移動できるようにしています。
ピットに着いたら畳んでおいたテントを張り直し、そこで朝食を取ります。火を使う場合はガソリンタンクに注意してください。
朝食が済んだらウエアに着替えて、開会式会場へ移動します。この時の装備はパレードを走行できればいいので、フル装備でなくてもかまいません。受付時にもらった胸ゼッケンは必ず装着しなければなりません。携帯工具は絶対に持って行った方がいいです。朝は寒いのでジャケットを羽織ったり、パレードまで時間があるため軽食を持っていく人もいます。
07:30 開会式会場へ移動
ピット会場から開会式会場までは、特別仕様のリムジンバスが用意されます。これを利用する場合は、時間に遅れないようにしてください。遅れるとピットに置き去りにされます。運転手が確保できる場合は、自分のトランスポーターで移動してもかまいません。
※土曜の朝受付車検の場合
今までは、朝一で受付・車検→ピットへ移動→ピット設営・準備→スで開会式会場へ、という流れでしたが、2007年大会から土曜の受付・車検時間が後に変更されたため、先にピット設営をした方がいいかもしれません。
前日受付組と同じく05:30にピット会場へ移動、ピット設営、朝食、準備のあと、07:00からの受付・車検に間に合うように自走で開会式会場へ移動、受付・車検という流れでしょうか。この場合、書類を持ち歩くためのディパックなどが必要です。
開会式会場からピット会場までは、当日の朝は込み合うと思うので、車で20~30分の時間はかかると思っておいた方がいいでしょう。サポート要員がいる場合は、先に受付・車検を済ませ、ピット設営はサポートに任せるという手もあります。この辺は各選手ごとに事情が違ってくると思うので、事前にしっかり計画しておくべきです。
08:30 開会式
開会式が始まるまでにはけっこう時間があります。暇を持て余さないように、朝食を小分けで取ったり、まわりの人たちと談笑したりして過ごすのもいいでしょう。
開会式といえばなんといってもこの方、大森 伊佐緒 木古内町長(2007年4月現在)です。町長の歯切れのよい挨拶によって、一発で目が覚めます。来賓挨拶とか選手宣誓、交通安全宣言などの後、5人づつ車両とともに並んで選手紹介が行われます。これもけっこう時間がかかります。
09:40 パレード
選手紹介後いったんバイクを路地に整列し、全選手の紹介終了後、白バイに先導され町内をパレードし、ピット会場へ向かいます。
このパレードの最中、必ずプラグがかぶったり、エンジン不調で止まる選手がいるため、携帯工具は必ず持ち歩くようにした方がいいです。それから、新品のエンデューロタイヤは、舗装路ではものすごく滑るので、転倒には十分注意してください。
交通安全宣言の襷をかけてパレードを行います。この襷はピット会場の入り口で回収します。ピットに到着後ゼッケン順にバイクを整列し、燃料補給などの整備を行います。私はここでライトまわりへのテーピングや、タイヤ空気圧の調整を行います。私はこの後にウエア類を本番用装備に変えて、ライダースミーティングに備えます。
10:30 ライダースミーティング
ここで競技部の大森さんによる説明があります。大事な説明なので必ず出席しなければなりません。かなりきついことを言われるかもしれませんが、びびってはいけません。ライダースミーティング後、自分のバイク付近でタイムカードの配布が行われます。あとはスタートを待つばかりです。
11:00 スタート
スタートは5台一組1分間隔で行われます。毎年200台前後の参加なので、スタートが終わるまで40分近くかかる計算です。後ろの組の場合、トップグループのスタート見物している余裕もありますが、あまり余裕かましていると出遅れることになります。スタート前は緊張のあまりもよおす場合が多いので、事前にトイレへ行くなどした方がいいです。
そしていよいよ自分の組のスタート。前の組がスタートしたら、この恐怖のお立ち台にバイクを押し上げ(スタッフの補助が付きます)、ここでまた選手紹介があります。最も緊張する一瞬ですが、慌てずにガソリンコックON、メインスイッチON、ゴーグルの装着、タイムを計るならストップウォッチの確認をして、カウントダウンとともにエンジンスタート。木古内のサバイバルコースへ突入です。
ピット作業やレース途中の注意点は別の項目で説明します。
15:00 周回スタート終了
無事規定周回数をこなしゴールすると、ピットには戻らずにマシンプールされます。マシンプールするときに、タイヤやチェーンの状態、車体各部の緩み、ナンバープレートと保安部品の破損状況などを確認し、2日目朝の整備計画を立てます。この時も、バイクのメインスイッチOFF、ガソリンコックOFFは忘れずに。
無事ゴールしてもゆっくり休んでいる暇はありません。すぐに着がえて、ブーツやヘルメット、ゴーグルなどの予備が無い場合は洗って乾かすなりした方がいいです。チームの全員が無事ゴールしたらピットを畳んで、すぐに次の行動に移った方がいいです。
18:00 交流パーティ
交流パーティの前に風呂に入るか、後に入るかは、各参加者の事情に合わせた方がいいでしょう。うちのチームは通常先に風呂に入ってから、2日目の食料やガソリンの買い出しをして、交流パーティーに向かいます。木古内近郊には数多くの温泉があります。知内のこもれび温泉かビュウ温泉のとやを良く利用します。(のとやのお湯は熱いです)
交流パーティーではジンギスカンや海産物のバーベキュー、ビールやドリンク、おにぎりなどが提供され、町内のよさこいチームとダンサーTomiki氏による演舞が催されます。ここで1日目のリザルト配布も行われます。2日目のスタート順が書いてあるので、必ず確認してください。
19:30 1日目終了
あとは、1日目の反省会(という名の宴会)をするなり、2日目に向けての準備をして、ゆっくり体を休めて早めに寝ましょう。
■2日目
05:15 起床
2日目のピット開放は06:00です。たぶん筋肉痛で動けないと思うので、早めに起きて体を慣らしておいた方がいいです。2日目の朝はスケジュールが立て込んでいるので、早めに移動して先に朝食を取った方がいいです。
ピットについたらすぐに車両整備の準備をします。
06:45 車両保管解除
胸ゼッケンを付けてバイクを引き取りピットまで押してきます。ガソリン補給、冷却水補給、チェーンヤ可動部への給脂、各部ボルトの緩みチェック、破損箇所の修理は最低やらなければなりません。キャブに残っているガソリンも一回抜いた方がいいです。余裕があればバイクの泥落とし、エアクリーナーフィルター交換、オイル交換も行うライダーもいます。
タイヤ交換をするかどうかは各自の判断によります。通常クラスならリアタイヤは交換した方がいいでしょう。
このように、30分の整備時間でやることはたくさんあるので、事前に計画を立てておくことが必要です。
車両整備終了後、エンジンウォーミングアップの時間があります。その後、1日目の成績によって決められるスタート順にバイクを並べます。
07:30 ライダースミーティング
2日目もライダースミーティングがあります。ミーティング後すぐにスタートなので、この時点までに本番装備に着がえておいた方がいいです。1日目と同じように、ミーティング後に自分のバイクのそばでタイムカードが配布されます。
08:00 競技スタート
スタート方式は1日目と同じです。あとはゴールを目指して突っ走るだけです。
15:00 競技終了
1日目の完走者数によってゴール閉鎖時刻が変わってきますが、普通に走って13:00~14:00ぐらいまでにはゴールできるはずです。チャレンジクラスはもっと早く終わりますね。
1日目と同じく、正規にゴールするとマシンがプールされます。この時に保安部品やナンバープレートが脱落しているとペナルティータイムが加算されるので、山中に部品を置いてこないように、意地でも持って帰るようにしましょう。
無事ゴールしても、だらけている暇はありません。すぐに着がえて食事を取りながら、『俺はとっくの昔にゴールしてるぜ』というように涼しい顔をしてライバルの到着を待ちましょう。
周回スタート終了、コース閉鎖後に車両保管が解除されます。それまでに、汚れ物のパッキング、ピットエリアの整理、撤収準備を済ませておきましょう。閉会式までの短い時間ですが、帰りの運転のことを考えて仮眠を取っておくのもいいでしょう。
16:00 表彰式・閉会式
帰りのフェリーの時間に間に合わないとか、この後仕事(笑)とかの特別な理由がない限り、閉会式に出席するのは最低限のマナーと考えます。間違って入賞してしまった仲間がいたら、表彰式は大いに盛り上げてください。来年は絶対あそこに立ちたいと思うはずです。
16:30 帰途
さて、競技が終了したからといって、エンデューロが終了したわけではありません。無事に帰宅して、初めて一連のスケジュールが終了なのです。運転中に疲れて眠くなってしまうのは確実です。一人の場合は途中仮眠をとるぐらいの余裕が必要です。チームで乗り合いできれば、運転を交代するなどできるのです。
途中温泉に入って帰るという人もいますが、私は眠くなるのでなるべくノン・ストップで帰宅します。
月曜日、仕事に遅刻しないように、帰宅後は風呂にはいってすぐ寝ましょう。
これで、レース前の準備段階からレース当日まで、どのような流れで進んで行くのか分かったと思います。タイムテーブルは変更になる場合もあるけど、状況に応じて臨機応変に対応したいですね。
いよいよ次からは、木古内のコース、マシン製作、練習方法などを説明したいと思います。
つづく
(2008年度版に加筆・修正)
Road to STDE 木古内への道
・Vol.1 まずは申込み
・Vol.2 参戦準備
・Vol.3 レース前のスケジュール
・Vol.4 レース当日
・Vol.5 木古内のコース
・Vol.6 マシンと装備
・Vol.7 サバイバル
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