偽りの栄光 - 泥沼日誌

2009年10月20日

偽りの栄光


■徐々に口先だけの脳内A級ライダーの仲間入りしつつある私にも、少なからず過去の輝かしい栄光を顕す遺物が残されている。ほとんどが完走賞だったり表彰台以下の入賞だったりするが、その中にただ一つ総合優勝という成績が残っている。ショップ主催のエンデューロ大会で、スタッフが不足しているためチーム員の私が前日のコース整備に借り出され、次の日参加者が足りないから出ろといわれて走ったときの物だ。

雨でコースはかなり難易度が高く、ラインを外すと登れなかったりするので、先導のマーシャルライダーの役目を果たそうとスタートとともに前へ出て、コース設営の時に想定していたベストラインを刻みながら周回した。なかなか後についてくるライダーが少なくて、ぶっちぎりの1位のまま中間でピットイン。さすがに、コースを作った人がレースを走って優勝してしまうのはまずいと思い、スタッフに2位のライダーが誰かなのか確認して、そのライダーが2回チェックを通過するまで休んでいた。確かにその時は乗れていた。中間でたっぷり休んでから再びコースに戻り、ゴールまで楽しく走れた。

ゴール後、後片づけをしながら成績を見ると、なんと私が1位。ものすごく気まずい気分で、1位になってもらうはずだったライダーに聞いたところ、前の日の宴会の影響で辛くて途中ピットで休んでいたという話。何ごとも徹底してやらないと、思わぬ結果になるということを教えられた苦い思い出だ。

荷物の整理もだいぶ進んで古い衣装ケースが空いたので、偽りの栄光は押し入れの奥へ封印されたのだった。

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