WR250R 試乗記 その2 - 泥沼日誌

2007年11月28日

WR250R 試乗記 その2

試乗会当日

9時30分に現地到着。遠隔地の販売店はすでに現地入りしており、何台か試乗車両が並んでいた。やはり傷や破損が怖いらしく、外装に保護テープを貼ったり、ハンドガードを装備している車両もある。タイヤはノーマルタイヤそのままのものや、モトクロスタイヤに交換している車両もある。
コースの駐車場路面は、表面こそ乾いているように見えるが内部は凍結している。最初のうちは良いが、表土がはがれると氷が露出して滑るに違いない。スパイクタイヤにして正解か。

受付が始まり、車両をスタート地点に運ぶと、ほとんどの車両がテールランプを外していることがわかった。ゲストの鈴木健二選手に聞いたところでは、ライセンスホルダーのアルミ製のステーは、モトクロスコースで走り込んでも全く折れないとのこと。確かにステーは頑丈そうだが、外側に飛び出したウインカーランプの方がやばそうだ。急遽、工具の入ったウエストバックを車に取りに行き、テールランプを外すことに。

サイドカバーとリアシートを外して、ECUを外し、2本のビスを外すとリアフェンダーが外れる。テールランプやライセンスホルダーは、リアフェンダーを外さないと取り外すことが出来ないが、作業そのものは簡単だ。外したテールランプ周りの部品は結構軽く出来ている。

テールランプを外して、外装を組み立てているときに気付いたことだが、シートを止めるためのボルトがリアフェンダーを挟んで止める形になっているため、ボルトを締め込んで行くと樹脂が変形してうまく締めつけトルクがかからない。ここは樹脂が潰れないようにカラーを入れるか、段付きのボルトを使うなどしないと、緩んでボルト脱落の可能性がある。実際、試乗車の1台で、走行中にシートが外れるトラブルがあった。(締め忘れだと思うが)


念のため、他のボルト類やスポークも増し締めしておいた。そのほかタイヤの空気圧を調整、フロントフォークのエア抜き、オイル量の確認、サイドスタンドがバタつかないようにゴムバンドで止めたり。
車両の準備が終わり駐車場の方を見ると、すでに数十人が試乗を待つために並んでいた。車も続々と入ってくる。既に駐車スペースは満杯。

そして試乗開始。


最初の1組目、ゆっくり走るのかと思いきや、いきなり全開で走り出すやつもいる。慣らしも満足に行っていないだろうに。遠くから見ていると先頭集団は結構なハイペースで走っている。

何組か走っているうちに転倒して止まっているライダーがいた。なかなかエンジンが掛からないようだ。車両の整備で忙しかったので良く聞いていなかったが、開会式で『転倒してエンジンが止まったときは、いったんメインスイッチを切ってからもう一度スイッチを入れて、エンジンを始動してください』という説明があったそうだ。車両に装備されている転倒センサーが働くと、エンジンが止まるように制御されているとのこと。たしかに、インジェクションだとバイクが寝ころがってもポンプで燃料が供給され続けるので、エンジンは回り続ける。昨日の夜のエンジン停止も、こういった安全装置が働いた結果だと思われる。


気がつくと、スパイクタイヤ装備で、センタースタンドに立てられた車両には、なぜか人が寄ってこない。いかついおっさんたちが周りを取り囲んでいるので無理もないか。ということでMIKAHO号のトップバッターはチーム員のH氏が務めることに。
帰ってきて感想を聞くと、エンジンは開ければパワーはある、けどフケ上がりが遅い重さは感じない座って曲がろうとすると腰高なせいか落ち着きがない、サスは細かいギャップで跳ねる(?)とのこと。
そこで、ハンドルが鬼ハン気味になっているのを少し手前に寝せて、前後サスのダンパーの入りを3クリック程度ソフトにして、もう一度乗ってもらった。
今度は、ハンドルポジションはOK、フロントサスは落ち着いたが、ブレーキング時にリアが跳ねる。

トレールバイクで2人乗り仕様のせいかとも思ったが、そんなにリアサスが硬いわけはない。他に思い当たるとすれば、食いつきを良くするために空気圧を高めにしたスパイクタイヤかな。試しにタイヤを手で押してみたら、びくともしない。走行前に空気圧を調整したのだが、まだ抜き方が足りなかったようだ。
そこで、前後サスのダンパーを元に戻し、タイヤの空気を抜いてみた。(ゲージがないので適当に)

次のライダーは、これまたチーム員のK君。


バイクの具合を聞くと、重いしパワーがない、足回りはどうだ?普通? 相変わらず言葉少ないK君。
たしかに、スパイクタイヤの装備のMIKAHO号は、他店のバイクよりもエンジンが回っていないような気配。
H氏にも聞いたが、どうやらスパイクタイヤの走行抵抗が大きくてエンジンが回らない様子。他店のバイクは凍結路面や浮いた火山礫で滑って、タイヤが空転しているだけのようだ。


順番待ちの行列も少なくなり、試乗会も落ち付いてきたので、いよいよ自分も試乗してみることに。
車両はもちろん、スパイクタイヤ装備のMIKAHO号。

跨る前に、センタースタンドに片足を載せて、反対の足でステップを踏んでサスの動きを確認しようとしたところ、センタースタンドが倒れてバイクを倒しそうになった。その時、片足を地面について傾斜角60°近辺でなんとかこらえて、そのまま復元することができた乾燥重量123kg+ガソリン満タンにしては、引き起こしはとても楽だった。車体の重心が低いのだろう。

跨って見て、トレール車にしてはシート高が高い。オールドタイプ体型の身長175cm体重80kg(以上)だと両足のつま先が付く程度。またもや鈴木選手に聞いた話だが、リアサスユニットのシャックル部分に調整用のネジが切ってあって、それで2cmぐらい車高が下げられるとのこと。さらにフロントフォークの突き出しも2cmぐらい取れるということなので、スプリングのプリロード調整やシートのあんこ抜きなども加えると、5cmぐらいはシート高を下げられるのではないかと思う。

さて、いよいよ乗り出そうかと、エンジンを掛けようとして思わず右手がキックアームを探しに行ってしまった。(笑)

また長くなりそうなので、試乗記 その3へ。

つづく

関連リンク

WR250R 試乗記
WR250R 試乗記 その3

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