2007年10月2日
全道モトクロス選手権 第9戦 栗丘
9月30日、北海道のモトクロスシーズンを締めくくる、全道モトクロス選手権の最終戦が、栗丘ライディングパークで開催されました。
もっと早くレポートをアップしたかったのですが、レースが終わって帰ってきたら、ぽっかりと心に穴が空いたようでなにも手につかず(たぶん寝不足なだけ)、4日もかけてレポートのアップ完了です。
今回も先発隊として土曜の明るいうちから乗り込んでパドック設営です。
パドック設営前にコースを一通り見て歩く。コースは春からほとんど変わってなく、2コーナ先のフープスがきれいに整備され、頭も丸くなっている。雨が降ってコンディションが心配されたが、案外路面はぬかるんでなく、これならミディアム路面用のタイヤの方がいいかと判断し、チーム員にメールで連絡をする。
夕方までに到着したのはピットクルー&観戦要員のみで、暇を持て余したのと、日が落ちるといきなり寒くなってきたので、早々と体の内側から暖を取ることにした。次から次へと燃料が投下されるので、ライダーが集まる頃にはすっかりでき上がっていた。
夜になって続々とライダーが到着、ちょうど日ハムのリーグ優勝がかかった試合が行われてたので、あちこちで盛り上がっていた。
大事なレースを控えているライダーたちは、比較的早い時間に宴会を抜けて眠りに就き、我々ピットクルーは、夜遅くに到着するライダーを迎えるために起きていいることにした。
夜12時頃ライダーが到着、バイクをテントに並べて寝床を準備して、少し焼き肉でも振る舞った後、早めに寝ようかと思いきや、遠方から来てたまにしか会えないので、思わずライディング談義に花が咲き、なかなか眠りに付くことができなかった。
そんな感じで床に就いたのが午前3時頃、自分は走らないからいいけど、ライダーは大丈夫かいな。そんな心配しながら寝ようと思ったのだが、夕方あれだけ体を温めたのにすっかり冷えきっていて、全然寝ることができなかった。
モトクロスの朝は早い。
ライダー達は6時前に起きてコースの下見に行く。当日の朝入りのライダーも順次到着。チーム員以外にも、ショップのお客さんが同じパドックに入っているため、かなりの大所帯だ。
ピットクルーもぐずぐずしてられない、昨夜の宴会の後片づけをして朝食を取る。自分はチーム員の受理証とライセンスを持って受付に、他はマシン整備や車検、洗車機の準備、飲み過ぎてまだ寝ている者など、結構緩めのチームだったりする。
8時30分から開会式。そのあとすぐに公式練習が始まる。
土曜の朝までかなり雨が降っていたので、雨上がりでちょっと乾き気味の栗丘最悪のパターン。公式練習最初のNBはかなり粘土が付いていた。
ショップの4tトラックで1000リットルぐらいの水を持ってきているが、NBだけでも5台と数が多いので、そんなにきれいには洗車できない。駆動系やブレーキ、サスのリンク、フロントフォーク、ラジエータとエンジン回りを重点的に、外装やシートは適当に泥が落ちる程度に洗車する。
公式練習も進むに連れて、マシンに付着する泥が少なくなってきた。コースをほとんど整備していなかったため、表面が固いままで粘土の材料になる土が少なかったようだ。
レース開始の頃には、グリップ最高で埃も立たない、ベストコンディションになっていた。
最初のレースは、うちのチームとしてのメインイベントの一つ。三好さんのダブルチャンピオンが掛かったNB85の決勝レースだ。
NB85は2位とのポイントがかなり開いているので、完走さえすれば年間チャンピオンが決定だ。三好さんはこのほかにも三つの決勝レースを走らなければならないので、押さえめのレース展開。無事3位でフィニッシュ。まず一冠を奪取。
次はNA2の決勝レース。
今シーズンのNAクラスのランキングは、うちのチーム所属の#01高瀬潤選手が1位、#38名和政仁選手が2位でほぼ決定だが、状況によっては1位と2位、もしくは2位と3位の逆転もありうる。また、まだIBへの昇格の可能性を残している選手も何名かいるため、最終戦とはいえ油断のならない展開が予想される。
NAに出場するライダーは3名なので、サイン出しは専任のピットクルーに任せて、自分は少し写真を撮影することにした。
そしてスタート。よりによって#01高瀬選手がスタートで失速、他車に引っかけられて転倒、最後尾になってしまう。後で聞いたら、燃料コックを開くのを忘れていたそうだ。これは親爺さんから焼きが入るな。
レースはスタートで飛び出した#32森地槙之介選手が独走でフィニッシュ、上位陣はいつものメンバー、スタートで出遅れた高瀬選手は怒濤の追い上げで7位となった。これでNAのランキングはほぼ決定かな。
あと心配だったのは、IB昇格の可能性があった元チーム員の#35小関和哉選手が、3位でフィニッシュしていた。本人は上がりたくないと言っていたけど、昇格のチャンスがあるときに決めておかないと、来年以降も昇格のチャンスが来るかどうかわからないぞと、周りの人に散々言われていが、この様子だと昇格するつもりみたいなので、少し安心した。
次はNB2の決勝レース。
現在うちのチームにはNBクラスに5名のライダー、そのほかお客さん関係も含めると10名以上のNBライダーがいる。残念ながら今シーズンはNAへ昇格できるライダーはいないが、それぞれのレベルに応じて頑張ってきた。
ライダーが多いとサポートの方も大変で、どういうわけかチーム員どうしで競り合って走るおかげで、毎回サインを出すのに苦労する。集団で走っている場合は『P9-10-11』とまとめて順位を出したりしている。今回はピットクルーが4名ほどいたので、それぞれ手分けしてサインを出すことにした。
レース中のピットクルーのお仕事は、サイン出しの他、スタート前のライダーのサポートや、スタートに使う足台の回収、途中で止まってしまった場合の車両回収など、状況に応じて迅速に行動しなければならない。ライダーに出すサインも、単純に順位と残り時間の他、叱咤激励の言葉や、ライディングに関するアドバイスなど、そのライダーの技量や性格などもある程度把握しておかなければならない。結構難しい仕事だ。
NB2の決勝レースでは、あまり無理しないように順位と残り時間を伝えるのみにしておいた。
続いてIB2の決勝レース。寂しいことに、うちのチームからは1名の参加。マシンも調子よくないようなので怪我の無いように走ってもらいたいところ。
自分はIBライダーのフォームなどをじっくり撮影するつもりだったのだが、元気に出て行ったチーム員が帰ってこない。しばらくしてトボトボと歩いて戻ってきた。やはり途中でエンジンが止まったらしい。再始動を試みたのだが、全く掛かる様子がないとのこと。午後のレースもあるので、ライダーはパドックに帰して、自分がバイクを回収に行く。
レース中のコース横断はご法度なので、最終ラップでマーシャルライダーが出て行くまで待つ。バイクはステップアップ手前のヘアピンで止まっていた。栗丘ライディングパークでもっとも低くパドックから遠い場所だ。
試しにエンジンをかけてみると、エンジンは掛かったがアクセルを開けてもミスファイヤするばかりで全然ふけ上がらない。エンジンが掛かればすぐに回収できるところだが、次のレースも迫っているため、チャイルドクラスでコースが切り替わるまで待つことにする。
バイクを1コーナー脇まで二人で押し上げて、チャイルドクラスのレースが終わるのを待っていたのだが、この間の10分がえらく長く感じた。相棒に次のレースのサイン出しを任せて、自分はパドックまでバイクを移動する。下り坂なので押しがけしてみたら、エンジンが掛かりアクセルにも反応する。オーバーヒートするとだめなのか?
午前中最後のレースは、本日のメインイベント、オープン85クラスの決勝だ。85ccのダブルチャンピオンを狙う三好さんは、ランキング2位の#26中川孝也選手が10ポイント以上前の順位でゴールしない限り大丈夫。いつも10人に満たない参加者なので完走さえすればチャンピオン決定だったのだが...今回はどういうわけか、現役IBのおじさまたちがこぞってオープン85に参戦してきた。
最終戦に来てがぜん盛り上がったオープン85のレースを制したのは、全日本のレディースクラスで上位に名を連ねる#7佐々木奈津美選手だ。並み居るおじさまたちは女子中学生にしてやられてしまった。
三好さんは無難にレースをこなして8位フィニッシュ。中川選手が7位だったので、これで85cc二冠を達成。今年の三好さんは、毎回NBを2ヒート、85ccも2ヒート、公式練習や予選を含めると1日に8ヒートも走ることがあった。もし85ccでチャンピオンを取れなかったとしても、MFJ北海道から表彰して欲しいぐらいの貢献度だと思う。
あと、このレースを最後に引退する#2迫屋稜子(りょうこです)選手も無事ゴール。
『ママでも金』とか言っていたので、いつか帰って来ると思いますが、某社長の罵詈雑言・セクハラ発言に耐えたここ数年、本当にご苦労様でした。
午前中のレースが終わり、急いで昼食を取る。午後のレースが何時から始まるのかわからなかったのと(放送があったかも知れないが)、午後のレースに向けて色々やることがあるためだ。今日は朝方少し冷え込んだが、昼頃には気温20度前後でとても過ごしやすくなった。昼食を取ったあと昼寝をしているライダーも居る。
ピットクルーは昼休みでも休むことはできない、午前中のレースでエンジンが止まってしまったマシンを整備して、午後のレースを走れるようにしなければならない。幸い、同型機の予備車両があるので、そこからパーツを移植してなんとかなりそうな雰囲気だ。パーツ移植の準備を始めていたら、あと10分後に午後のレースを始めると言う放送が入った。
おいおい、まだ飯食ってるライダーもいるんだけどな。今日は最終戦で最後に年間表彰もあるため、早めにスケジュールをこなさなければならないのはわかるが、昼休み前に放送があったのかも知れないけど、いきなり10分前に言われても困るよね。
それで自分は車両整備にまわり、午後のサイン出しは他のピットクルーに任せることにした。
午後のレースはNB OPEN、NA OPEN、IB OPEN の順で行われる。車両整備に目処がついたので、NB OPEN 決勝レースをのぞきに行った。
相変わらずうちのチームは集団で走っている。写真撮影で一度にフレームに収まるうちはいいけど、ちょっとばらけるとメモリの書き込みが間に合わなくて、いつも撮影に苦労する。
うちのフィフティーズのトップガン、NB#6の目黒さんの力強いフォーム。体力さえ続けば今までも頭は取れそうなんだけど...3周が限界かな。
NB#1山崎社長とNB#25関根剣太郎くん、そんなおじいちゃんに付き合ってないで、さっさとぶち抜いてください。
続くNA OPEN決勝。
NA#01高瀬潤選手とNA#32森地槙之介選手、ともにIB昇格が決まってるので、気兼ねなくバトルしてます。IBは厳しいけどオフシーズンにしっかりトレーニングして、来年に備えてください。潤はまず体重増やすとこからだね。
最後のレースはIB OPEN決勝。
ポイントランキングはほぼ決着がついているようだけど、最後まで怪我の無いように頑張って欲しい。
思えば、今シーズンの北海道モトクロス界は怪我や事故が多くて、思うように成績が出なかったり、シーズン棒に振っちゃったりしたライダーが多いね。
若いうちは治りも早いと思うけど、我々のようなおじさんたちは 怪我=引退 となる可能性が大きいからあまり無理もできないし、今の北海道のモトクロスを支えているのは30歳後半以上のベテラン勢なのだから、コースの方も事故の少ないレイアウトを考えてくれないと、このままだと、ますますモトクロス人口が減っちゃうね。
その辺はMFJ北海道の方でも危機を感じているようで、閉会式ではシーズン終了後に部会を開いてうんぬんとか言ってたけど、ライダー側からの改善提案があったらどこに持っていけばいいとか、はっきり言って欲しかったね。誰も責任とってリードしていこうという人がいないのがMFJの体質なのかな。
黙っていても良くならないと思うので、モトクロス御意見掲示板 で全道モトクロス選手権に関する意見を募集中です。何か良い意見がありましたら、気軽に書き込みお願いいたします。
話が少しそれましたが、今年の全道戦も終了。めでたいことにうちのチームから2人で3クラスのチャンピオンが誕生しました。
レース終了後にシャンパンファイト!
NA総合チャンピオンの高瀬潤選手。
シャンパンがキンキンに冷えすぎて、泡が出ませんでした。まだ未成年なので飲ませません。
シャンパンの中身は、NB85とOPEN 85のダブルチャンピオンに輝いた三好恵三選手が一口だけいただきました。お抱え運転手がいるんで帰りは大丈夫でしょう。
ちなみに、残ったシャンパンは、高瀬父さんがお持ち帰りです。
最後に、
今年は全くレースを走らなかったにもかかわらず、ピットクルーとして、何度かは大会役員として全戦参加となりました。ライダーとして参加しているだけではわからない、いろいろなことを経験しました。
モトクロスは年々縮小傾向にあるのですが、今年は久しぶりに釧路で開催されたり、HOPカップのような試みもあったり、NBの参加者が若干増えて予選が行われるようになったりとか、今後に向けて明るい兆しもあります。
今シーズン参加されたライダーやサポート要員、大会役員や家族の皆さん、レースが始まってから6ヶ月間ご苦労様でした。
来年も全道モトクロスが盛り上がるように、今から頑張っていきましょう。
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