ほんのちょっとしたことで - 泥沼日誌

2007年11月11日

ほんのちょっとしたことで

物事がうまく行かなかったり、劇的に好転したりすることがありますね。
今日は、それが身に染みてよく分かりました。

ありし日の '04 RM-Z250です。苦労して公道登録し、木古内初完走を目指して作り込んだマシンでした。


しかし、レース前の整備のほんのちょっとしたミスによってカムシャフトが焼きつき、スタート後 300m でリタイヤの憂き目を負ってしまったのでした。



初期型で発生していたバルブの異常摩耗というトラブルもありましたが、木古内での事件以降、いくらエンジンを直しても、シリンダーヘッドを交換しても、キャブレターを非分解箇所までバラしても、二度と調子を取り戻すことがなかったのでした。


しかし、この不憫なマシンをなんとか復活させようと、さまざまな考察を尽くし、その症状から察するところ、ある可能性を思いついたので、今日、いつものところでテストすることにしたのでした。


雨が降りそうな雲行きの中、SOPに繰り出して、現地でヘッドカバーを剥ぐって見ました。
下の画像は、クランクが上死点でのカムシャフトの状態です。



カムギアに2ヶ所ポンチマークが打ってあって、クランクが上死点にある場合、カムチェーンがかみ合うところと、ヘッドの縁にポンチマークが来るようになっています。
この画像だと、ちょっとずれているようにも見えます。

わかりにくいので、パッキンを外してみます。


吸気側のポンチマークがヘッドの縁から下になっていて見えませんね。

どうやら、思っていたことが的中のようです。
風が強くて手が悴んできましたが、自体好転の可能性が見えてきたので我慢して作業します。
とりあえず、排気側のカムを一駒ずらして見ます。

作業をしていると、チーム員の伊藤君が新人君を連れてやってきました。
新人君が購入予定の中古のRM125をショップから強奪し、とりあえず乗ってみるためにやってきたのでした。

問題解決の糸口を見つけた私は、彼らをかまってやることはあきらめ、もくもくと作業を続けるのでした。
何度も繰り返した手慣れた作業なので、それほど時間も掛からずエンジンの組み立ては終了。ついでに、ちょっと心配だったキャブレターのフロート室を空けてみた。やはり今回も砂がたまっていた。燃料タンクに入り込んでいるのだろうか。

マシンの組み立てが終わり、エンジンを掛けてみました。

明らかに、今までと違う排気音。息が詰まって青息吐息な排気音から、力強い音に変わっていました。ちょっと試走してみると、全く低速が効かなかったエンジンが、アイドリングでもマシンが進んでいく。

今まで、エンジンを組み立てていたとき、チェーンテンショナーを外してゆるゆるの状態で位置を合わせると、カムチェーンの掛け方が一駒ずれていたようです。
それならば、吸気側も一駒ずらせば、本来の調子に戻るはず。

作業に取りかかろうとしたとき、練習を終えた二人が戻ってきました。


新人君は、オフロードバイクに乗るのが今日で3回目。今までアメリカンに乗っていて、オフロードバイクはしっくり来ないようです。
スタンドを立てた状態で乗車姿勢を試したり、頼りない姿勢で8の字を描いてみたり、いろいろやっています。


根っからのおせっかい体質の私は、大事な作業を放り出し、伊藤君と二人で新人君の指導を始めてしまったのでした。

最初はどうしても膝が開いてしまうというので、スタンディングで練習しているようでしたが、それならば、まず座って丸を描いて見ろと。やっぱり腰が引けていて、バイクも寝ていない。
もっとシートの前に座って、最初は内側の足なんか出さなくていいから、もっと腰を入れて。違う、ち○こを前に突き出すように...

最初はおぼつかない姿勢で乗っていた新人君ですが、ほんのちょっとした助言で見違えるような上達ぶり。


若さとは、可能性に満ちあふれてていいなと、つくづく思ったのでした。


あれ、今日は何しに来たんだっけ。

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