不思議なタイヤ - 泥沼日誌

2009年6月18日

不思議なタイヤ

■現在、うちの主力戦闘機YZ400Fには井上ゴム工業のVE-35F/VE-33というタイヤが装着されている。これは1990年型のXR250Rに標準装着されていたものを譲っていただいた年代物なのだが、4st250ccのマイルドな出力特性のマシンにベストマッチとうたわれているように、ハイパワー重量級モトクロッサーには全くの能力不足なタイヤなのだ。実際、このタイヤでハードパックな栗丘ライディングパークで乗ってみたところ、ブロック剛性が不足していてまっすぐ走ることさえ難しいという、タイヤ一つでこんなにも変わるのかと思い知らされたタイヤだ。

だだこのタイヤ、公道走行不可で下手なモトクロスタイヤよりブロックハイトが高かったりするので、軟弱路面には結構強かったりする。今年のスノーヒルクライムでも、このタイヤを装着して見事にスキー場の頂上まで登りきれた。

それ以来履きっぱなしで角も丸くなり一部ブロックも飛んでしまっているが、先日のヒーローチャレンジカップでの激マディーな元気村で、参加ライダーが新品タイヤで何度もやり直しているようなつるつるの登り坂でも、多少テクニックやマシンの性能差もあるかも知れないが、なんの苦労もなく登ってしまった。

角が丸くなってもよく効く不思議なタイヤだと思うのは早計。実はこのタイヤには細工がされている。スノーヒルクライムのときに下がアイスバーンであったときのために、のこぎりでブロックにサイプ(切れ込み)を入れてあるのだ。ウインターレースでは定番のテクニックだが、マディーでつるつるな路面でも効果を発揮したようだ。作シーズンも別のタイヤにサイプを入れて夏季期間も使用していたが、思いの外グリップがよかった。

こんないんちき臭い小細工が、と思われる方も多いと思うが、この手法はモトクロスのワークスライダーも使っている由緒正しいテクニックなのだ。写真は2007年 全日本モトクロス選手権北海道大会でのIA1#44 小島庸平選手のリアタイヤ。私と違って縦にサイプが入っている。散水時に横方向のグリップを確保するための加工かな。

今週末のSTDEで2日目のタイヤ交換をしない(できない)という方、効果の程は保証できませんがやってみる価値はあるかもです。ただし、走行中ブロックが飛んでも責任は持てません。

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