'08 RM-Z450 - 泥沼日誌

2008年4月23日

'08 RM-Z450

■修理の終わったブーツを届けるついでに、世界初のバッテリーレスインジェクションを搭載した市販モトクロッサー SUZUKI RM-Z450 2008年モデルに試乗してきました。


パッと見た目 250ccかと思えるほどスリムでコンパクトな車体。外装からフレーム、エンジンに至るまで、前モデルとは全く違う、新設計のマシンとなっていました。

オーナーのたっての願いにより、今日の火入れ式は私が担当することに。インジェクションはポンプで燃料を圧送するため、燃料コックという物がありません。バッテリーレスなのでメインスイッチもありません。ただキックを踏むだけ。さすがに450のキックは重い。重いと言うか渋い。ジャンプして全体重を掛けても、ゆっくりとしかキックが降りない。それでも2回目のキックでエンジンがかかった、がすぐに停止。インジェクションなんだけど冷間始動用のチョークと、熱間始動用のホットスターターが付いている。チョークを引くと、キック一発で元気にエンジンが回り始めた。

エンジンが暖まるまでは、スロットル操作に対して多少レスポンスが悪かったが、暖気が済んだら異常と思えるほどのレスポンス。キャブでありがちな、急激にスロットルを開いたときの息つきも全く無し。

早速コースで走ってみると、車体が軽く感じる。'07以前のモデルのような、重くて大きな物体を強大なエンジンパワーで無理やり動かしているような感じは無い。サスがしっかりしていてSOPモトクロスコースの激ギャップも、何の不安もなく突っ込んでいける。ただ、サスの動きとギャップの周期が同調してしまってリアが跳ね上げられる。慎重にスロットル操作しないと、スピードが乗りすぎてすぐにコースアウトしてしまう。人のバイクなもんだからおっかなびっくりで、上の写真のように全然乗れてない。

乗れてないのはオーナーも一緒のようで、サグ出しや、フォークの突き出し、ダンパーの調整などを繰り返した。特殊な路面環境だから、ここでサスを合わせても無意味なんだけど、なんとか乗れるレベルにはなった。


さて、問題のインジェクションだが、さほど違和感もなく自然な感じで操作できるが、エンジン自体のポテンシャルがすごいので、開けるとものすごいパワーで閉めると強めのエンジンブレーキ。3速のままタイトコーナーに進入すると、エンストすることも。もう少し低回転での粘りが欲しいところ。これではちょっと疲れる。

各種センサーによってセッティングフリーとは言うが、コース状況やライディングスタイルなど、あるいは各人好みのエンジン特性に合わせるためには、ECU設定用端末を使わなければならない。

コンパクトな車体とパワフルで始動性良好なエンジン。インジェクションの調整が自由にできるようになれば、とてもおもしろいバイクになりそうなんだけど。

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